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2006-11-17

何故急ぐ?教育基本法改定。

◎教育基本法案、与党単独で特別委で可決=16日に衆院通過−野党は審議拒否
(時事通信社 - 11月15日 19:10)
 安倍政権が今国会の最重要法案とする教育基本法改正案は15日夕、衆院教育基本法特別委員会で野党欠席のまま、与党などの賛成多数で可決され た。与党側は16日の衆院本会議で可決、参院に送付して、今国会での成立を図る方針だ。これに対し野党側は、特別委の採決について「断じて容認できない」 と激しく反発。衆参両院で審議拒否に入るなど、同改正案をめぐる与野党の攻防は大きなヤマ場を迎えた。
 

教育基本法改訂案が与党単独で採決された。郵政選挙でできあがった完全過半数の国会では、採決すれば可決することは判っている。だからこそその内容、意味を真剣に討議されなくてはならないと思う。
そもそも論で言えば、国民の審判は郵政のみで与えられた議席である以上、時の総理大臣が国民とは無関係に変わり、かつ60年以上も継続された基本法を替えるわけだからこの状態で採決することは、常識的に考えて大きな問題があると思う。
肝心の法律の中身についても、美しい日本などと言う極めて抽象的な感覚の中で教育とは何ぞやという正に基本の議論がないまま、60年間権力を握っ た連中の責任というか無責任さが生んだ問題のすべてを、既存の基本法のせいに押し付けて押し通そうというのだから、前首相から続く,すり替え、はぐらかし もここに極まるという所だ。どう見ても中身の議論よりも通すことに意義を見いだしているとしか思えず、更に急ぐ理由を考えるとぼんぼんながらも昭和の妖怪 の血をひく右巻き首相が企むスケジュールは考えるだけでも背筋が寒くなる。しかし残念なことにこんな連中を選んだのも我々国民なのだから、政治は国民のレ ベルを写すと考えると、国民のレベルが上がるのを待つだけかも知れない。
更に残念なことに、こうした衆愚の時代を利用して勢力をのばすすべは右巻きの連中の方が巧いことを歴史は証明している。勇ましい言葉やナルシス チックな響きはこうした時代には、全うな判断を惑わすことを何度見たことか。あの成熟した民主社会と思われたアメリカでさえ、9.11直後のヒステリック なナショナリズムにより振れすぎた振り子を戻すのに5年以上もかかった。マスメディアを含め未熟なエセ民主国家日本では、振れを戻すどころか簡単に折れて しまいそうな危うさである。
その結果が巻き起こす悲劇は、大抵の場合,一番力の弱い一般市民の上に降りかかる。右巻き権力者とそれに巣食う連中はハイエナのごとくおこぼれだけを自らのものとして生き延びていくすべを知っている。
やがて、金持ちは益々金持ちに貧乏人はより貧乏人へという格差の時代は進み、日本的な階級を生み出していく中、形を替えた21世紀型の奴隷化社会がすぐ近くまで来ていると考えるのは私だけだろうか?
そして、その転機となったのが、あの無責任な郵政解散だとしたら、刺客騒動に踊り流された国民の自業自得だとしたら、余りにも大きな代償だったのかも知れない。

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