島宇宙論
アクセスは全国ネットなのでわざわざpodcastで聞く必要もないし、配信されるのは一部だからラジオで直接でもいいのだが、時々podcast専用の配信もあるのとわざわざ録音してまでということもありpodcastで聞く場合が多い。
MCは月-木が渡辺真理
(実は山本モナの代役でもあった)、金は麻木久仁子が担当だが、日替わりゲストが多彩なのと、podcast専用で配信されるM2スペシャルは社会評論/分析としても秀逸だと思う。何しろNHK以外で宮台真司の生トークが聞けるのは他に多くはあるまい。ましてや宮崎哲弥とのダブルトークだから。
年末年始にかけて約3時間の対談を5回に分けて配信されている。(これは前にもかいたっけ)。宮台用語の島宇宙、死にオチ、メタファ、痛みは中々聞きごたえがあります。
そしてもうひとつのlifeはサブタイトル文科系トークラジオとなっており、30代の男が色んなテーマでトークを繰り広げるというか、部活の世間話という感じで、こちらも社会学者?鈴木謙介がメインパーソナリティをつとめている。
世代的にはアクセスにシンパシーを感じるのだが、アクセスがポスト全共闘世代なら、lifeは言葉の定義に議論は別れるものの"ロストジェネレーション"世代でもある。いずれも一定の喪失感のもとにある世代ではあるが、lifeには宮台言う所の島宇宙を感じてしまうのは単なるジェネレーションギャップなのだろうか?
いい意味での個人主義に関しては違和感は感じないものの、個人の宇宙の中での保守化は気になる。私はこの世の中に右翼も左翼もなく、保守と革新というか、権力と反権力しかなく、次世代へのエネルギーは良くも悪くも反権力=現状への不満というか物足りなさがあって、生まれてくるものと考えている。島宇宙での満足感が高いのは構わないがその宇宙の塊である銀河にも関心を持つべきものと考えるが、lifeを聞いていると、時々島宇宙で物事を完結している場面に出会うことがあるのだ。
反権力をイデオロギーに重ね合わせて定義することに嫌悪感を感じることには同意はするが、権力/既成なものに対して鈍感になるのは、結局のところ反権力の動きに対してネット右翼的に攻撃を加えたり、やたら権力側にすり寄った付和雷同的な世論形成と無縁ではないように思うのだが・・。
変に物わかりのいい世代は権力者にしてみれば、極めて御しやすいし、カルトにとってもほんの少しの工夫で陥落させられる都合のいい世代なのかもしれない。実はこの世代間にも一つの世代が存在するのだが、肝心の顔が見えないのは辛いところだ。(単純に言えばバブル世代か?)
いずれにしてもこの国の行く末については世代間論争は必須と、ふたつの番組を聞きながら考えた次第。 2007.2.17
「ミタ・キイタ・カンガエタ」カテゴリの記事
- うたのちから CMのちから(2011.07.02)
- 恥の上塗り、ここに極まる。腐った天声人語(2010.10.17)
- まだ見て見ぬ振りですか?(2010.10.08)
- メディアの恥の上塗り 小沢強制起訴の恐ろしさ(2010.10.06)
- 黒のレギンス(2010.09.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント