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2007-03-03

正しいことは

最近聞いた中で、目から鱗というか常識と思っていたことが非常識だったということがあった。聞きようによっては御用学者の戯言と取られかねないが、さらにこの話を否定できる話があれば、是非聞かして頂きたいものだ。
メディア受けや社会正義ぶる偽善者たちの反論を待っている。

およそ聴取率とは無縁の番組でNHKですらどうかというものがある。私自身もネットされていない地域であることからPodcastによる視聴であるが、実は番組名からしても理屈には合っているようだ。Science Xitalk 科学好きのたくみが見つけたこの番組、すべてがすべてという訳でないが、今回ご紹介する内容に関してはこれまでの自分の考えが偽善者のそれであると反省させられた内容である。見方によってはアルゴアの不都合な真実こそ、まさに真実を隠蔽していることになりかねないのかも知れないと・・。

以下キーワードはどのように感じられるであろうか?
●リサイクルこそ環境破壊の元凶である
●紙のリサイクルと森林破壊は無関係
●京都議定書に関してのみはブッシュは誠実な大統領だった

どうだろう進歩的な文化人達がぶっ飛びそうな内容ばかりだが、以下をご覧あるいは以下にリンクする内容をお聞き頂ければ我々がいかに巧妙に思想操作をされているかが解ってくる。

以下の内容は名古屋大学教授 資源材料学の武田邦彦氏の話をもとに記載している、直接聞きたい場合はこちらから

人は誰でも全能の神でない以上与えられた情報によって自らの判断を下さなければならない。しかしその情報自体がフィルターのかかった、あるいは一定の意図を持ったものだとしても、その内容自体が耳ざわりのよいものであったとしたら、我々は何の疑いもなく、真実と思い込むだろう。

今、国是のように資源リサイクルが歌われ、それこそが地球にやさしく進歩した考えのように思われている。だからこそリサイクルこそ環境破壊の元凶なんていわれると心ある人は目を向いてしまうだろう。しかし資源リサイクルが言い出されたころ環境団体はむしろ消費が拡大すると反対し、生産側のメーカーが賛成したという事実がある。今やコンビニのゴミ箱ですら当たり前のように可燃物、非可燃物の仕分けがされている。更に言えばリサイクルの代表選手のように言われているペットボトルも専用の仕分け箱があるのが普通だ。人は誰しもゴミを仕分けして出した時点で環境にやさしく社会に貢献したように錯覚する。

ではこうして仕分けされたペットボトルの再生率が何%かご存知だろうか?なんと3%にすぎない。うちのカミさんもせっせと出しているプラスチックのトレーなどについては1%だという。つまり仕分けされたゴミも仕分けされないゴミもそのほとんどが焼却されているのだ。(誰でも、じゃあ何のための分別かと思うが、少なくともリサイクルの観点では、ほとんどが意味のない分別であることが明らかになってくる)

更に言えばペットボトルを再生してペットポトルを作ろうとすると新品をつくるより3.5倍のエネルギーを消費する。経済性のみでなく環境的にもまったく逆行した理屈であることは誰であっても理解できる。そして先ほどの話ではないがほとんどリサイクルされていないにもかかわらずペットボトルの生産量は10年前15万tだったものが51万tに増加している。再生率を考えるとリサイクルが叫ばれて以降燃やされるペットボトルが35万tも増加したことになるがいかがだろうか?

当たり前だがだからどんどん新品のペットボトルを作れと言っているのではない。リサイクルという免罪符を与えるだけで、ペットボトル増加を押さえるという意識すら失うことになってはいないのかということ。

我々は陶器やガラスの器は当然のように洗って再利用しているのにペットボトル等プラスチック製品は見せかけのリサイクルで使い捨て&環境破壊を繰り返しているという事実を忘れてはいけないと思う。万一、ここに記したことが嘘だと思われる方が見えたら行政でもどこでも聞いてみればいい。期待する回答は絶対帰ってこない。それより分別収集なり処分なりの過程に環境保護とは無縁のヤミのような利権構造が見えてくるはずだ。

続いて紙のリサイクルと森林破壊は無関係。実はこれはもっと理解されやすい。地球温暖化の元凶として森林破壊によるCO2の処理能力の減少も理由のひとつとされているが、ここまでは事実である。では森林破壊の状況でいえば、要因の大半は途上国における市街地化であり農地化、焼き畑農業によるものである。

では紙の生産に必要なパルプとはこれらとは無縁の北方の針葉樹林帯が中心である。そしてこの針葉樹林帯に限れば逆に3%ほど増加しているのである。そう誰かが紙の消費と森林破壊を無理矢理くっつけて論じてきたことになる。この間違った論理の浸透はペットボトルよりも深刻で紙のリサイクル率は今や40%と言われているが、元々紙は太陽エネルギーで育った樹木を材料とする点では環境に優しくて、逆に再生紙を作るためには結果として大量の石油エネルギーを消費することになるのだが、どちらが環境に優しくエコなのかは言うまでもない。

それ以上に新紙の需要が落ち込んでパルプを廃棄しなくてはならない状況に至っていることを考えると、この間違った論理は犯罪的と言える。こちらも同じく、だから紙をどんどん消費しろというのではなく、例えばチラシの裏面等を再利用することより廃品回収で紙をリサイクルに廻す方が美徳という風潮は改めるべきだということだ。

そして最後のテーマ、京都議定書に関してのみはブッシュは誠実な大統領だった”。この議定書を批准していないアメリカ=ブッシュはけしからんという論調が、ゴアの映画を引き合いに出すまでもなく世界の一致した見方だと思う。たくみのブッシュ嫌いからすれば当然のことではあるが、そもそも京都議定書とは何かといえば今後のCO2の排出量を低減させようというものである。実は別の場面でたくみはこのことを否定的に論じたことがあって、地球上の多大な貧富の差がある中で富の固定を意味するやり方には問題有りとしてきた。

つまりCO2の増大は文明の発展、経済の発展のバロメータでもあるからだ。すでに富を得ている国の論理で発展途上国の経済成長を封じ込めるような政策はフェアではないと。ロシアのプーチンは批准しているが、堂々と批准した理由を自国の発展の状況を考えた場合、日本や西欧諸国に排出権(1〜2兆円といわれる)を売れると判断したあくまで経済的な理由だと述べている。日本にしても現実には全く減少はさせないくせに批准して、不足分は買えばいいという発想である。

つまり極めて偽善的な判断だ。それに対しアメリカが批准しない理由は自国民に対し、経済を衰退させるようなものを国を守るべき立場の人間として批准することはできないという極めて正直な理由をのべている。それをロシアや日本の国民は本気で自国のエゴだとか、身勝手だと言い切れるのだろうか?それこそ天に唾することになると思う。そして残念ながらこれについての答はまだ見つかっていない。

しかし、これまで述べた中でエココンシャスと思い込んでいたことが実はより大きな石油エネルギーを消費している矛盾の実体もある。精神的な京都議定書にこだわる前に、実利的なところから始めることが重要ではないだろうか?

以上常識の嘘、何が本当に正しいかを考えるためにはきっかけになる放送だと考えた次第。2007/03/3 たくみ

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