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2007-03-17

判っているけど

父は現在79歳。しかし現役の地方議員ということもあり老人は老人ではあるが、年相応とはとても言えないくらい、まあ同居する身からすると鬱陶しいくらいの元気さであった。そんな父が突然倒れた。幸い倒れたこと自体は瞬間、あせりはしたが決定的な状況には至らず済んだのだが、その原因というかベースの体調は、やはり年相応にかなり痛んでいたことが明確になった。

こうなると、これまで元気だった分の反動というか、事体調に関してはマイナスにマイナスに作用しているようだ。まるで動いていることで均衡がとれていたものが、そのバランスを失ったように(多分,そのことを一番感じているのが本人だと思うが)隠れていた病原が次から次へと頭をもたげてくる。現代の医学は、いくら進歩したとは言え、こう守勢に回るとモグラたたきのように叩いても叩いても違うところから病原が頭をもたげてくるようだ。

多分に心理的にも弱気の虫が出てくるとこうした病原どもは益々勢いづくようで手に終えない。いつの間にかとても79歳には思えなかった元気な父が、所謂80歳の病弱な老人に変容していくのが手にとるように判る。病は気からという言葉のままにどんどん弱っていくのが判っていても、どうすることもできないもどかしさが見守る側にも無力感を増大させていく。

判っていたこととは言え、まぎれもなく目の前の父は80歳の病弱な老人であり、昨日のような79歳には見えない元気な父には戻れない。せめてずる賢い病原どもの先回りをするような治療が成功し、普通の80歳の老人レベルには戻れることを信じて、ベッドの上の父を眺めるのみである。

判っているけど、もう一度あの鬱陶しい父で(家族以外にとってはとても頼りになる人間ではあるが)いいから、1日でも早く戻って欲しいと願うばかりである。

3/17 20:48 たくみ

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