おけいさんの家族? まる六の日
6月6日。オーメンの日じゃなくてまる六の日である。日本国民なら6月6日と12月6日は、まる六の日として万難を配して青山マンダラに集わなくてはならない!?ちとテンションが高めに入っているが、これには色々と訳がある。おいおい詳細はお伝えすることにして、本日の夕刊を見たら観世栄夫さんの訃報が掲載されていた。まる六と観世さんって関係がないようだが、こへさんが六文銭へ参加するきっかけにもなった別役実さんの戯曲"スパイ物語"の初回公演である1970年版によくわからない学校の先生役で映像で出演されていたのが観世さんであった。因みにこの中で、楽団六文銭として歌われる歌の中に”雨が空からふれば"や”へのへのもへじの赤ちゃん"そして"私はスパイ"などの六文銭のナンバーがある。改めて観世さんのご冥福をお祈りしたい。
Ok's SQUAREは基本的に土曜日に開催されるので助かるが、まる六は日にち先行なので今年も水曜日の開催となった。平日と言うこともあり7時半の開演。何とか午後を有休として予約をしたものの、好事魔多しで、次から次へと案件が舞い込み,トドメは予期せぬトラブルで、会社を出た時はすでに4時を廻っていた。これが、まだトラブルの序章に過ぎなかったことは、この時点では判っていなかったが・・。
(相変わらず本編までが長くてすいません)
今日の安宿は新宿のビジネスホテル。判りにくい地図のおかげで辿り着いた時点ですでに7時近かった。荷物を放り込み,慌てて着替える。外苑前まで地下鉄を乗り継げば何とか間に合う計算。マンダラは昨年12月に経験済だし、結構駅から近かった記憶もある・・・。ところが新宿3丁目で乗るはずが、入口を見落とし新宿まで来てしまった!乗り換えの赤坂見附ですでに時計は7時半。でも今なら1曲くらいのロスでなんとか・・”甘〜い!"
薄暮の外苑前の出口を出たが,”うん?ここはどこ?"。
名古屋の碁盤の目のような通りに慣れすぎたのか、斜めに伸びる三叉路みたいな交差点を前にして途方にくれてしまった。もう人に聞くしかない!花屋さんならと交差点沿いのご主人に聞いたが"マンダラ"はご存知ない。ドトールのお店に駆け込み,聞いたが?。ここで半年前の記憶を大全開,そうだ浜崎あゆみ、エイベックスビルが判ればなんとかなるぞと再びドトールへ。やはりあっけなくエイベックスの場所は判明し、目指すMRビルへ。
(そうMRビルの名前が判っていればよかったのにとは後の祭)
時計は8時近くになっていた。今回だけは、浜崎あゆみに感謝である。
息を切らして地下の会場へ。当然ながら素敵な歌声はすでに響いていた。チャージに含まれるワンドリンクは何を血迷ったかジンライムに。喉を潤すはずが燃えるよう。満席の客席の邪魔にならぬようバーカウンター前、ステージ真横のパイプ椅子へ腰を降ろした。
いつもならステージ中央奥の席に陣取るUさんがステージかぶりつき席に見栄る。常連さんの顔もちらほら確認。たくみの席からはこへさん越しにおけいさんや小室さんを眺める位置。梅雨時ということもあり、ステージのお三方も夏らしいシンプルな衣装。いつもファッショナブルなおけいさんはスリムなジーンズに白っぽいブラウス,(そして初めて見るけど)低いながらもヒールのある靴で歌われている。相変わらずスタイル抜群,手足とも伸びやかでうらやましい。
後でわかったのだが、4曲目の"雨がふりそうだな"から参加できた。いつものことだが、セットリストはこへさんの担当。残念ながら今日のメニューを推測するには情報が足りない。
しかし、この席で意外な発見もいくつか。この席ではPAを通した音より生音の方が響いてくる。そしてなによりギターを奏でるこへさんのたくましい左腕の筋肉がぴくぴく動くのが興味深い。一時期テニスのインストラクターでもあったこへさんらしく、バックハンドでスピンを効かしたショットを撃つような感覚だろうか?
おけいさんの手の長さも印象的。実は通常楽器を持たないおけいさんはその伸びやかな両手で、いつも歌の表情を表現している。そして正面からだと横の広がりというか、おけいさんを包み込むような三人の配置が、この角度からだと奥行きというか、おけいさんが小室さんやこへさんがメインでボーカルを取るのに合わせて微妙にたち位置を調整しているのが判る。声だけのハーモニーではなく、まる六は3人の存在自体が阿吽の呼吸で見事に調和されているのがわかる。
(まだ1曲しか終わってない!?)
(まだ1曲しか終わってない!?)
続いては"ただあたたかくからっぽに"結果,今回唯一のおけいさん中心の曲。まる六になってからの曲だけど、それとてもはや6年以上経つ事になる。どうやら、今回の構成はこへさんVS小室さんフィーチャーのようだ。続いてはこれも大好きな曲,佐々木幹郎さんの詩の朗読で始まる名曲"石と死者"。ところが今日の小室さんは言葉への拘りがいつも以上に激しい。どうも感覚的に続けられないようで、再度朗読からスタート,個人的には朗読の最後におけいさんがかぶる部分がたまらない。・・でも死者はやってくる・・およそ言葉とは無縁のたたみかけるような曲。まる六ならではのハーモニーの妙である。
そして、こへさんフィーチャーの"夢のまた夢"。劇のための書き下ろしの短い歌。演奏後の小室さんの解説が抜群!。MC自体が掛け合いの漫才のよう。こへさんにど素人だから書ける曲と言えるのは小室さんだけだろう。しかし、これこそ型にはまった所からいい歌は生まれないことを判っている小室さんだから言えるのだと思う。
前の続きで、当時原さんと小室さんであえて崩した演奏で味を出していたという"街と飛行船",芸術祭を受賞したfour seasonsというラジオ叙事詩制作のきっかけになった曲でもある。勿論別役戯曲用の曲だが、発売中止になるなど当時から話題に事欠かない小室さんの名曲。これが天下?のNHK-FMから流れてきた時の衝撃は未だに忘れられない。
再びこへさんフィーチャーの"こわれました"という短い曲。PA不要な程,こへさんの声には張りがある。
前半最後は、小室さんならではの、神楽をイメージした"樽を転がせ"。サントリー美術館?のオープンイベントで歌われた曲,こんな曲を書けるのはやはり小室さんしかいないと思う。ボーカルは小室さんメインで、間の手のようにおけいさんが被る。こへさんは奥に座って鼓のイメージだろうか?パーカッションに徹している。
どう見てもフォークなんていうちっぽけなジャンルに留まらない芸術の域に達している見事なセッションだと思う。
ここで一部は終了。休息に入る。
今日のまる六は、表現は適切じゃないけど、プロ中のプロである小室サウンド=ブラックホールのようにどんな言葉でも、どんな詩でも表現できてしまう魔法のようなテクニックとこへサウンド=究極の素人として、既成概念に捕われない感性鋭い感覚で創造されるものとの真剣勝負のような構成だと思った。真剣勝負と書いたが争うというより重なることにより融合して何倍にも何倍ものエネルギーとなって感動を与えている。そのエネルギーをおけいさんの透き通った声が、やさしく包み込む。だから、まる六は何物にも替えられない魅力がある。あまたある昔の名前のグループとは決定的に違うところだ。MCの中でも、いみじくもご本人達が気づかれたように、当時の六文銭の歌であっても、今やまる六サウンドとして、今に生きる魂を与えられた歌として、心の中に響いてくるのだ。
思い入れがありすぎて,前半で紙面(正確には時間)が尽きた。いよいよ始まるライブ後半とオフ会でのうれしい出来事については、次の日記で。
やはり、まる六は止められない。
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