« 千年に一度の夜。777おけいさんin茅ヶ崎-2 | トップページ | ファンにとってのまる六CD »

2007-08-16

番外編 FOLK DAD

523182208_46
<しばらくライブには行けないので番外編として小室さん,おけいさんのインタビューが掲載されたFOLKDADについて書いてみた>

発売日の8月6日,会社近くの書店でFOLK DADを購入した。
正直,まる六&おけいさんファンであるものの,昨今の猫も酌しもフォークならなんでもという流れにはもともとの天の邪鬼の性格が,ついていけないのも事実である。

手にしてまず,小室さんが巻頭なんだと確認した後,おけいさんの記事を探す。" フォークの女神たちはいま"という特集の巻頭にあった。う〜ん,あの人は今みたいなタイトルはどうなのかなあ?編集者の立場で考えれば,わからない訳じゃないけど,少なくともたくみが編集者ならこれは絶対ないなと思う。残念ながらその他大勢のフォーク親父を対象に考えるとこんな風になっちゃうのかな?記事の中味自体はよく考えられているだけに,そしておけいさんらしい表現もうれしいし,編集者としての最低限の配慮も感じられるだけに惜しい気がする。

文化論,文明論をぶってくれとは言わないが,懐メロでないフォークが何故今,求められているのか?この時代におけるフォークの意味や単なる懐古趣味でない点はしっかり押さえてくれないと,2つ程昔の世代が軍歌を懐かしむこととの違いが,はっきり見えてこない気がする。

幸い,小室さんが巻頭で,十二分にぶってくれているのが救いではあった。
-フォークリバイバルをどう思うかに対し
"一番本音を言えば,僕の知ったこっちゃない"
(よかった。だからこそ小室さんだ!)

そもそもまわりを意識しながらのマスとしての意思決定をする風潮を嫌って,パーソナルな個々の価値観に目覚めた中で,生まれたあの時代の歌達を時代が過ぎたからと言って,再び十波ひとからげにして,定義しようとする事自体,大きな矛盾だと思う。

人としての自我に目覚め,個性を否定しない中で育まれたものだから,フォーク全体に対しての,その成り立ちに対してのシンパシーを感じながらも,個々の歌に対しては,もっと好き嫌いがあってもいいと思うのだけれど,フォークが好きなら,かぐや姫や拓郎は好きに決まっているという感覚だけは何とかして欲しいと思う。(決して嫌いと言っているわけでないので念のため)

更に言えば,たくみ的にはどんなに懐かしい歌でも,今生きている歌でなければ認められないというスタンスに変わりはない。つまりすでに役割を終えた,その時代だけの歌というのはナツメロとしての存在感は認めるけれど,今聞きたい歌ではないと思っている。

その意味でまる六やおけいさんを支持しているのは,今の自分に必要な歌を,今正に感じさせてくれるからこそであり(確かにそれ自体をも越えた人としての魅力もあるけれど),だからこそ,どんなに困難であっても,できる限り同じ空気の中で,その歌を感じたいと思うのである。

さて,実は小室さんのインタビューでやっとこさ,松岡正剛さんとの関連が点ではなく線として繋がった。そして何よりどんな詩人の詩にも曲をつけてしまうという小室さん,現代劇とのコラボの先駆けである小室さんの原点に松岡さんが関わっていたことが明確になっただけでも,この本を手にした意味があったと思う。

いずれにしても,小室さんとおけいさんのインタビューが掲載された本なんて,それだけでも(多少内容に不満はあっても),購入しないわけには行かない。これ以上の満足を求めるとなると,もう,こうなったら自分で出版するしかなくなるのかなあ?

一番好きなことがテーマだと,やはり取り留めのないものになってしまった。反省。

« 千年に一度の夜。777おけいさんin茅ヶ崎-2 | トップページ | ファンにとってのまる六CD »

たくみのまる六&おけいさんLIVEレポート」カテゴリの記事

コメント

凛太郎さん
いつもありがとうございます。
どうぞご遠慮なく,というか申し訳ない気持ちでいっぱいです。
FOLK DADは雑誌として売る以上,限界はあると思います。
どのあたりで線を引くかが編集者としての腕の見せ所でしょう。
売れてなんぼの世界であるのは同人誌でない限り,仕方がないとは思います。
ところでmixi上では今,静かなバトルを繰り広げています。
まあ,相手は気づいてないみたいですが・・(笑)
昔から売られた喧嘩だけは買うことにしているので
基本はフォークというか,ファンのあるべき姿という
たわいのないものですが,たくみなりにはその本質の中に
中津川を中止に追い込んだり,西口フォークゲリラのように
結果としてフォークそのものを衰退に追いやった輩と
同質性を感じてしまったので・・・
ということで,たくみも随分青い訳です。

ではまた

投稿: たくみ | 2007-08-28 21時57分

失礼致します。いつもありがとうございます。
ちょっと記事でフォーク懐古趣味的なことを書きまして、その際たくみさんのお言葉と記事を引用させていただきましたので、言及のお知らせにトラックバックをさせていただこうと思いましたが、TB設定がありませんでしたのでご無礼ながらアドレスを貼らせていただきます。ごめんなさい。

http://p-lintaro2002.jugem.jp/?eid=492

さて、今更FOLK DADですが、僕はエレックとURCについてよく分からない部分があり、そこのところを補完してくれたことは良かったなと。もちろんその世代の方々には常識なのでしょうが、若造には知らないことも多いのです(汗)。
「フォーク・シニアのセカンドステージ」という謳い文句はどうなのとも思いますが、資料性はある程度あったのではと思います。小室さんの、松岡さんの話もありましたし。
いずれまた第二弾も出るのでしょうが、どうなるのでしょうか…。

投稿: 凛太郎 | 2007-08-27 22時42分

この記事へのコメントは終了しました。

« 千年に一度の夜。777おけいさんin茅ヶ崎-2 | トップページ | ファンにとってのまる六CD »