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2007-11-26

キングコーン 懲りないアメリカ

悲しいけれど世界はアメリカという国を中心に廻っている。
かの国はテロとの戦いといって,どんどん世界中に戦争と不安をまき散らしている。
100歩譲って,その存在価値はロシアや中国など大国の覇権主義の台頭に対する
僅かな牽制くらいしかないと思うのだが・・
情けないのはそんなレベルの国の思惑に,金魚のふんのごとく何の意志もなくついていくしか
できない,外交にも値しない日本国の政府であろう。

これが地球の規模に関係のない小国での話なら,哀れみの眼差しで眺めるだけでよいのだが
こんな国が世界の中心というところに問題の深さがある。

今,原油高,ドル安,株安の元凶でもあるサブプライムローン。グリーンスパンの食い逃げみたいな
施策で,見せかけの成長率を維持するために貧乏人に超低金利で金を貸し,不相応な住宅をどんどん建てさせて住宅産業というか全体での景気を維持しようとしたもので,その債権を金融商品として全世界にバラまいた結果が,今のサブプライムローン問題である。とにかく何がめちゃくちゃかと言えば,年収200万円程度の貧困層にプール付の住宅を建てさせるような政策で,破綻するのは目に見えている。そのつけで誰も金利が払えなくなって,貧乏人は家を追い出され,金融商品を取り扱う一部ファンドだけが泡銭でボロも儲けし,不良債権を掴まされた世界の銀行がババを掴んだという話である。

では,何故アメリカがこんなバカな政策を維持できたかと言えば赤字国債をどんどん発行して,それを日本に買わせて自転車操業を繰り返してきたと言えるのだ。(最近では中国にも買わせているとの話だが)。こうして不良債権をバラまいて得た資金で日本の企業や資産をアメリカの企業が買いまくっているというのも,ふざけた話だが,おばかな日本の国粋主義者が,アメリカなんて日本が金を引き上げればすぐ潰れてしまうと嘯くけれど,話は逆で,潰れてしまうとその国の債券をしこため掴まされている日本が逆に潰れるという構図である。

つまり日本はアメリカの自転車操業につき合わざるを得ない状況に自ら墓穴を掘り進んでしまったという訳である。会社でも同じだが,潰れてしまえば,その会社への貸付金は戻ってこない訳だから,仕方なく追加融資をせざるを得ないという,バブル時代の銀行みたいなものだ。本質的な解決策を取らないわけだからそのリスクもどんどん膨らんでいく。

どう考えてもいつか破綻するのは,余程のバカでも無い限り判るはずで,その意味でもアメリカは確信犯のような気がする。うがった見方をすれば,アメリカの発想でいけばその帳尻合わせのために戦争でも起こしかねないのではと思う。この点でいえば,アメリカの方がアルカイダよりも質が数段悪いと言わざるを得ない。そう,アメリカの顔色を窺っての給油法案どころの騒ぎではないはずなのに・・。

とまあ経済面だけでもとんでもない国なのに,次は食料の話である。
アメリカで公開されている映画に「キングコーン」という映画がある。
この映画,内容を聴けば聴く程恐ろしくなる話の連続である。しかもサブプライムローン同様,
アメリカだけの問題に留まらないのが問題である。アメリカが執拗に牛肉の輸入制限の撤廃を迫る理由も透けてくる感じだ。
映画の内容は農業の経験が全くないエール大卒の二人が1エーカーの土地にトウモロコシを作って,それを追いかける映画なのだが,食物連鎖というかアメリカという国の本質みたいなものが見えてくる映画である。詳しくはアメリカ在住のコラムニスト町山智浩さんのサイトとTBSラジオのポッドキャストでストリームの町山さんのコーナーで確認して欲しい。

まず,アメリカのトウモロコシの作付面積は日本列島の広さとほぼ同じ!
日本の米作よりも補助金まみれで,トウモロコシを作れば喰いっぱぐれはない!
そのかわり収穫されるトウモロコシは驚くほど安い!
収穫するのみ手間は全くかからない。何故なら遺伝子組換で気候にも害虫にも強い品種なのだ。
収穫されるトウモロコシは澱粉質以外なく,まずくて食用にはならない!
60%は家畜の飼料に,残りはコーンシロップ,コーン油,コースターチ,バーボンになる。

アメリカの牛は牧草でなくコーン飼料に育つ。結果,狭い牛舎で効率的に飼育できる。動きまわらないので脂肪が多く柔らかくなる=吉野家がアメリカ牛肉に拘る訳だ!。しかし,元々牛は消化しにくい牧草を食べるために反芻するようにできている。と同時に消化するための強い胃酸がある。ところが,消化しやすいコーン飼料ばかり食べるので胃酸により,胃だけでなく体自体も胃酸で溶かすようになってしまった。それを防ぐために胃薬や抗生物質を大量に摂取させられると言う訳だ。

一見安くておいしい牛肉になったものの(そのお陰で1ドルマックや100円マックになるのだが),薬付けの牛肉を大量に食べることになっているのだ。

更にキューバ危機以降,砂糖からコーンシロップへの転換が進み,結果,肥満や糖尿病が大幅に増加しているとも言われている。考えてみると,マックへ行ってハンバーガーにコーン油で揚げたポテトとコーンシロップ入のコーラを食べるとすると,体内には大量にコーン成分を取り入れていることになるのだが・・。これでバーボンでも呑むにとになれば,何をか言わんやである。

アメリカらしく単純と言えば単純だけど,ここに来て更に恐ろしい動きがある。
そう,バイオエタノールである。この原料もトウモロコシである。単純に更に多くのトウモロコシ畑が広がるのか,はたまたアメリカの食を支えるコーンとのせめぎ合いがはじまるのか,アメリカ内の食料危機で収まるはずもなく,結果地球規模で弱者が食を失う事態が予想される。こうした貧富の差がテロを生む土壌になることをアメリカは理解しているのだろうか?

そして最初の話題。本来なら経済破綻しているアメリカに資源を買いまくる金はないはずだけど,現にアメリカは毎年100兆規模の赤字だと言われているが,そんな国の国債を律儀に買いまくっている国がいる。どんなにひどい債務国であっても流動性資金が廻っているうちは倒産はない。というより倒産させれない。そしてこの国はこうした泡銭で戦争ごっこや見かけ資金で架空取引のようなバーチャル資産を増やしている。何しろ貧乏人にローンで家を無理矢理作らせ,そのローンを債券化して金融商品としてまたぞろ別の金儲けにしようとする国だ。その結果は貧乏人はいよいよ破産して,家を追い出され,その家を叩き売られて一部の金持ちが更に資産を増やしていくという格差が広がっていく。その作られた格差が日本など周辺にも広がっていくという構図だ。

懲りないアメリカ。この21世紀のモンスターに鈴をつけることはできるのだろうか?

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