ライブということ・・08年に続くまる六詣
07年のライブの締めは神戸のはずだった。私にとってのライブはまる六&おけいさんと同義語であり,運命の06年10月27日以来,その世界に触れることが半世紀を越えた人生の大事な要素になっている。その点でも,ジョイントなり,イベントのように多くのアーティストが出演するライブは意識的に避けてきた。それは原理主義者故の判断というより,その世界観を自分なりに大切にしたいという想いがあるからだと思う。
唯一の例外は,11月のフォーライフスペシャルライブ。まる六メインということもあるけど,11月のOK's SQUAREに参加できなかったという想いが強かったのだと思う。その意味では,今回の寒紅ライブは茶木みやこさんとのジョイントライブ,ましてや会場の源は彼女の名古屋のホームグランドでもある。
まあ,まる六にしてみればアウェイのような感じで躊躇したのは確かである。
そんなためらいもあり,それでもと行かねばと思った時にはすでにSOLD OUTであった。駄目もとでメールを送ると"立ち見前提ならいいですよ"というやさしいメールが帰ってきた。それは神戸が不満であったという訳ではない。神戸のライブを纏めた”冷たい雨が降る神戸は雨の歌が似合うのだろうか・・"にも記したように,こへさんのお話から新しい発見もあり,それをもう一度確認したいという想いがあった。その想いについてはこちらに纏めてみた。
会社からは30分もあれば行ける場所ではあるが,初めての場所でもあり早めに会社を出た。7時前には着いたのだろうか?会場の源は神戸と同じく,外観は普通のお宅の趣きだが,幸いなことに看板がちゃんと掲示されており迷うことなく到着。
さて大きめの玄関ドアを開け,”すいません,立ち見でお願いした・・"って言いかけた途端,”おう,いらっしゃい"とこへさんが声をかけてくださった。毎回知らない方がほとんどの会場で,人見知りが激しい性分の中,少しでも知っている方がいるとホットするのだけれど,なんとこへさんが一番良く知っている方というのは贅沢のような申し訳ない気分である。おけいさんは楽屋のようだが,こへさんは玄関の踊り場付近に置かれたソファで知人の方と談笑中だった。その方などをご紹介頂き,開演までの約30分くらいの間,望外にも先日の神戸のお話や放送されたばかりのNHK-Rのことで話がはずんだ。正直,それだけでライブに行った目的の大半を果たした気分ではあった。
定刻の7時半になって,まずは席亭のような雰囲気すら漂う茶木さんのパートがはじまった。当然のことながら茶木さんのライブは初めてである。知識的には元ピンクピクルスくらいしかない。ファンの方には申し訳ないが,ヒット曲も聴きはじめて思い出す程度ではある。それでも,関西パワーというか,トークの冴えは想像以上に会場をアットホームな雰囲気に導いていく。
ライブは"泪橋","一人の道"と続く。この歌確か自殺したマラソンの円谷さんのことを歌ったものだと,昔の記憶を思い出していた。"愛させて欲しい"に横溝正史シリーズのテーマソングでもあった"まぼろしの人"そして曲名は聴きそびれた1曲を挟んで"別れの涙"で茶木さんのパートを終えた。
ここでふたりぼっちのまる六を呼び込む。茶木さんによるとこへさんとは旧知の間柄だが,おけいさんとは8日の京都でのまる六のライブが初対面とのこと。しかし,そこは京女に岸和田娘!,おけいさんも"茶木ねえさん"と呼ばれるなどすっかり打ち解けた雰囲気。昨日はリハを兼ねて茶木邸で鍋パーティが行われたとのこと。因におけいさんは白いシャツにグレーのカーディガン&ジーンズとカジュアルな装いで会場のアットホームな雰囲気にフィットしている。
こへさんは"本当はもっと色んな歌を歌えるんだけど,今日はCDのキャンペーンボーイとキャンペーンガールだから" と笑わせる。つまり,今日はCD内の曲中心であるのだなと納得。
"夏・二人で"でスタートし"雨が空からふれば""雨が降りそうだな""あめのことば"と続く。そして"君はだれかな"に続いて神戸からは密かにまる六のテーマソングと呼んでいる"ただあたたかくカラッポに"とCDから6曲披露された。そしてパートの最後はオーディエンスに参加を促しての"ガラスの言葉"。実はこの日のこへさんはノリノリでMCも含めてリード役を買っている。選曲を含め,多分やや風邪気味のおけいさんを気遣ってのことなのだろう。
ここで茶木さんも加わって3人でのパートにすすむ。ピンク六文銭(@こへ)である。茶木さんも"となりではもってくれる人がいるっていいのかも?"と”でも,1週間もすると一人の方がいいと思うかもしれないな"と,今日と明日の京都までの限定ユニットであることを宣言されていた。
まずは茶木さんの"風は西から東へ"でスタートし,こへさん曰く"詞がいいね"って紹介した"エデンの東",3曲目はおけいさんもソロライブでよく歌われる"Watar is Wide"。実はこの歌は茶木さんも歌われるとのこと,但し訳詞が異なり坂庭省悟さん版ということで,今日はそちらが採用されていた。省悟さんの訳はパワフルな茶木さんには合っているが,おけいさんはやはりいつもの訳の方が向いているように思う。オーラスは最近の定番でもある"サーカスゲーム"。フーワ,フーワの練習付で会場全体を盛り上げていった。
お約束のアンコールは,2組用に2曲ということでアリスのレストラン付?"インドの街を象にのって"と茶木さんの"風の橋"で寒紅ライブin名古屋は終了した。
正真正銘,07年のライブの締めくくりである。心情的には京都にも29日のペニーレインにも行きたいところだけれど・・。
とにかく私にとってのライブは,35年間の時空を越える特効薬でもある。あの日のあこがれが,想いを今の時代に繋がる形で味わうことができるそれは,半世紀以上の間に汚れてしまった心に,そうでなかった自分をその瞬間だけでも取り戻させてくれる貴重な時間である。そして,それが実現できるのが,同じ時代を歩みながらも,10代の頃のあこがれが決してひとりよがりでない,想像どおり,否それ以上の存在として,しかも懐かしさだけでなく新鮮の想いも導いてくれるまる六がいてくれるからこそだと思う。(それは大人になるという言い訳で汚れてしまった自分自身への反省を込めてなのだけれど)
私自身のまる六&おけいさん原理主義。その意味を理解できる人は少ないのかも知れないけれど,フォークならなんでもと言う団塊世代のフォークソング親父連中とは相容れることはないのかも知れないけれど,この1年以上ライブに集い続けることによって,そう思える自分を少しだけ誇らしく思えるようになってきた。
当然のこととして,08年も許される限りまる六&おけいさんのライブに集うことになるだろう。もはや巡礼の旅の領域かも知れないけれど・・。
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コメント
まるちゃん,何とか入れたよ!
神戸では,まるちゃんの最近のご活躍先の
サンガファンさんにもお会いすることができました。
おけいさん達にもご紹介できて,喜ばれていました。
こちらこそ,よろしくね。
巡礼者のたくみより
投稿: たくみ | 2007-12-29 12時52分
たくみちゃん 行けたのね。
やったね よかったじゃん。
来年も さ来年も 巡礼しまくってくださいな。
今年もありがと。
来年もよろしくね。
投稿: まるちゃん | 2007-12-29 08時55分