ロス疑惑からオールナイトニッポン
何やら無理矢理25年以上前に引き戻される週末だった。
御三家?の内、唯一現役の深夜放送枠オールナイトニッポンの40周年ということで歴代のパーソナリティがリレー方式で2日間に渡り放送をした(らしい)。当地はCBC-Rがネットしてはいるがさすがに40時間をLFに売り渡すことはできず、雑音なしで聞けたのはレギュラー時間である深夜1時(曜日は異なるが)ナインティナイン(現役のパーソナリティ)だけだったが・・。
※99は今でも聞いているANN唯一のプログラムである。岡村君は十分に賢いし、話芸を持っていると思う。パック崩れとしては爆笑問題と伊集院のTBSだけは聞かない訳にはいかないが。
世間一般では私のマイミクさんも日記に書いているが,久しぶりにメディアの前に現れた"かの人"が話題だが、彼はパックもセイヤングも制覇しているので,まあ何かのタイミングが良かったのだろう。実はオールナイトニッポンには恨みとまではいかないが、その昔熟知たる思いを抱いていた。いくらクロスネットとは言え本来ならLF(ニッポン放送)のANN(オールナイトニッポン)はCBCではなく、SF(東海ラジオ)でネットするのが普通なのだが、ローカル局でありながら"ミッドナイト東海"が人気で、結局SFではなくCBC-Rでネットすることになった。(当時のCBCもしばらくは自社アナで深夜放送にチャレンジしていたが、SFの成功とは無縁でネットへの切り替えを画策していた)てっきりパックインミュージックがネットされると思っていた期待は裏切られ、いとしのパックはずっと雑音の彼方で聞くことをしいられたという次第。
因みにミッドナイト東海が人気だった理由は、若かりし頃の森本レオや鶴瓶がパーソナリティをつとめており、深夜という中波が遠くまで届くという特性もあってローカルを超えた人気を博していたことによる(らしい)
らしいと書いたのは、ずっと名古屋在住にもかかわらず、サムパックや小室パック、ミドリブタパック、そしてもちろんナチチャコパックと深夜放送はTBSのパックインミュージックしか聞かなかったので、そしてパック以外にも六文銭がレギュラーだったヤングスタジオラブや馬場こずえの深夜営業など今に通じる趣味の世界のほとんどはTBS-R発ではあった。従ってTBS以外の特に深夜放送については論評するほどの知識がないのだ。
LFがなぜこの時期に40時間ものANNを放送したのかは知らないが、最近の団塊世代狙いであるのは明白で、懐かしフォーク同様にこんなものまで"懐かしの"対象になったのかと思うと愕然としてしまう。深夜放送なんて、そしてそれを支えるリスナーなり、パーソナリティもこうした"懐かし症候群"とは無縁の存在として(そんなありきたりの価値観を嫌って、深夜にもうひとつの別の広場をそのすみかとして生き抜いて来たのだろうに)"懐かしさ"という感情はうわばみのように普通の時間、思い出としてすべてを飲み込んでしまうのだろうか?その意味でも、そんな思惑まるけのプログラムに"かの人"にはのこのこ出て行って欲しくはなかったのだが、否、彼はもう何十年も前ににぎやかな楽園である対岸に渡った住人だったのかも知れないな・・・。
なんてことを考えていたら突然の"ロス疑惑"である。
うまく表現できないが、メディア全般の(まるで漁船の悲劇などなかったかのように)予定調和的な取り上げ方には、少なからず違和感を覚える。ロス市警がまるでテレビドラマそのもののようなコールドケースよろしく昔の事件を粘り強く追いかけていたと言えば聞こえはいい。しかし、これには無罪にはなったものの、国民の大半が実はクロ(ただ証拠がないだけで本当はクロだという認識)という共通認識を持っているからこその取り上げ方だと思うけど、別の視点で見ればおよそ司法権を日本に委譲しながら、この機になって最高裁で無罪を勝ち得た被告を再逮捕するというのは、あまりに異質ではないだろうか?これがM氏以外の事件だったら、同じようなとり上げ方をするのだろうか?全く違う犯罪での逮捕ならともかくも、それほど日本の最高裁の判断とは軽いものなのだろうか?これでは仮に無実ながらも最高裁で死刑判決を受けた者にとってはやりきれないだろうに、自分の命がそんなに軽いものだったのかと。そして、あなたが、アメリカでなんの心あたりもない事件に巻き込まれて犯罪者に仕立て上げられたとしよう。苦労に苦労を重ね、日本へ戻っての裁判で何とか無罪を勝ち取ったとしてそれをまた旅行に行ったアメリカで突然警察が、"日本では無罪でも関係ない"って突然投獄されたとしたら・・
少なくとも、日本国の政府は自らの顔に泥を塗られたのも同然だし、独立国の裁判制度を蔑ろにされたわけだし、それ以上に自国民の自由と権利を守る義務があるのだから、こうした逮捕に値する決定的な事実なり、証拠の有無を求めるくらいのことをしてもいいのではないか?それとも裁判自体がアメリカの属国レベルの意味しかないことを認めているのだろうか?
そして今回のことを是とするのなら、沖縄で犯罪を犯しながら基地内に逃げ込んで起訴さえしていない連中を基地の中、アメリカまで追いかけてどんどん逮捕すべきだろうに。
私自身もM氏の潔白を信じてはいない部類の人間だけど、それとこれとは次元が違う話だし、国とは何かと考えた場合、日本って本当の独立国なのかしらと心配になってきてしまう。倖田來未やイラクの人質事件の例を上げるまでもなく付和雷同的にバッシングを煽動するメディアの姿勢も困ったものだし、30%以下の支持率でもまるで人ごとのようにへらへらしている日本国の首相も、独立国とは何ぞやと今一度考えるべきだろうに。(まあ、逮捕された国がロシアなり韓国であれば、違った対応であるのは明らかだが)
懐かしさに流されるのは心情以外にはさしたる罪はないけれど、雰囲気、共通認識に流されるままに大切なものを見失うのはなんとも情けないと思った週末でもあった。
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