1972年5月15日は・・
1972年5月15日は忘れられない日なのである。
実は私はまだその時にいる。そして私の六文銭バイブルである
NHK-FM ステレオによる叙事詩 four seasonはこんな風に始まる。
※放送の一部がネット上にアップされている。
著作権ははなはだグレーだけど(four seasonをクリック)
1972年の5月 ひとつの島がもうひとつの大きな島に統合された頃、
ひとつのフォークグループが解体した・・
冒頭のインタビューで"好きなミュージシャンは?"そして"5月15日は何してた?"と問われた当時の若者達は・・
"あの〜ボブ・ディランが好きです。5月15日ったら沖縄返還の日ですよね?・・家にいて、なんかしてたと思います。掃除とか、だったと思います。よく覚えていません"
"外国ではジョニ・ミッチェルが好きです。日本では僕です。・・15日ですか?あの〜全然何もない日は全然何もしないですからね(笑)だから特別何かしたってことはないと思います。きっと暇な日はどっか喫茶店へ行って珈琲飲んだり,僕は高円寺に住んでるから高円寺の商店街歩いたりしてるんだと思います"
"ボブ・ディラン、ジョン・レノン、ビートルズ、あぅ〜んっとジルベール・ベコー・・その他諸々。ふぅ〜ん、え〜っと忘れました!"
そして間髪入れず"街と飛行船"のイントロから小室さんの若いリードヴォーカル、そして更に若いおけいさんのコーラスがかぶさっていく。拍手とともに、セカンドコーラスが過ぎたころにナレーションが加わる。
"私は31歳。つまりあまり若くはないのですが、そんな私が若者達と出会うきっかけがこの歌でした。ちょうど1年前のある日、何気なくのぞいたコンサートのステージで5人の若者達が体全体でリズムを取りながら楽しげに歌っていました。私は奇妙な感じのこの歌に興味を引かれて六文銭というグループの名を記憶したのです。グループそれはひとつのコミュ二ティ、協力してことにあたる共同体、私はコミュニティに集う若者達に軽い嫉妬を覚えながら、彼らを注目し続けました。
そしてそんな思いが高じて、私は彼らとの共同作業でひとつのメルヘンを創ってみたいと思うようになったのです。しかしそんな私の思惑にはおかまいなく、時の歩みと若者達の足取りとは常に私より数歩先行していました。
以下のお話は若者達が出会った去年の春から,再び個に帰っていった今年の春までの季節の記録のようなものです。”
そして私は、高校3年生。受験校でありながら、何故か一番自由で、2年の修学旅行で少しだけ距離を縮めた彼女のことを恋とも知らずに気になりつつ、色んな意味で社会があきらめの落ち着きに向かおうとして行く中、賢く生きていくことが、人生にとって大切になりつつある中、浅間山荘の若者達とは違う連帯をどこかに探し求めていた記憶があります。
あれから36年、相変わらず大和民族の調整弁のように、詭弁の中で真の平和と安息を経験せずに、僅かな文化面でのアイデンティティのみが存在感を示す沖縄。
私は子供達を社会人として送り出しながらも、未だに36年前の場所から離れようとはしないやんちゃな人生を送っている。
確かに六文銭は解体したけれど、私は今、その六文銭=まる六を現実の存在として感じられる幸せの中にいる。それは果てしないサークルゲームの輪の中に閉じこもっているのではなく、それこそ回りながら自分らしさを見つめ直す、もうひとつの人生を歩み続けているような気がしてならない。
一度きりの人生だからこそ、自分らしさを第一に考えるお馬鹿さんの人生の方が実は楽しい人生だと思うから。
そして番組冒頭の問いに答える若者とは20歳のおけいさん、23歳のこへさん(らしい!)、そして28歳の小室さんのものである。
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