出会い,再会、喜びのKNOB LIVE
この地球上には約66億の人々がいる
さすがに言語の違う人々を除いても日本だけでも1億3千万の人口だ。
そんな中で、人が生まれ死んでいく中でどれだけの人に出会えるのだろう。
袖すり合うも多少の縁とは言い得て妙で、結局の所、必然,偶然を含めてもほとんどの人と関わることもなく人はその一生を終えていくことになる。
自分の親に地下室に何十年も閉じ込められていた事件があったけど、それはともかくも所謂身内以外の人と関わるチャンスは学生時代(これも大学以外だと結構エリアは限られる)や仕事を通じて以外では中々そのチャンスは訪れない。ましてや触れ合うだけでなく、人となりを感じられる間柄となるとほんの一握りの人としか関わらずに人って死んでいくような気がしてならない。
最近では身内であってもまともな会話が成り立たないことも現実にはあるのだけれど・・
LIVEの話の前に何を言っているんだろうと思われるだろうな。
それでも我々は、色んな出会いを体験している。問題はその出会いを単なる偶然と思うのか、それとも一生に出会える限られた何回かのひとつとして大切に思うのかの違いだと思う。なんだかんだと言って半世紀以上も過ごしてしまった身としては、過去の反省を踏まえてそんな出会いを大切にしようと思った次第。
考えてみると、まる六やおけいさんのおっかけを始めたのも35年目の偶然というか、今となっては必然がきっかけだった。それまで農耕民族の典型のように土着民として生まれた場所から離れることに逡巡してきた身として、ベースキャンプから動こうともしなかったのに、そのために見逃してしまった数多くの出会いに想いをはせながら、あの時、そっと肩を押してくれたおけいさんに出会うため週末の賑わいを見せる六本木、KNOBに向かった。
KNOBは六本木の中心、アマンドのある交差点をほんの少し下った角にある。今回で3回目、おけいさんは青木さん達とのジョイントを含めると4回目の会場となる。ラウンジのようなスペースは総勢25、6名が定員だろうか?エレベータを出るとすごそこが入り口だ。おけいさんや香真良さんに常連さんの何名かにご挨拶して席に着いた。だが、この日はLIVE以外のお客も多くて、最近の定席である入り口付近のカウンターテーブルを移動して、常連のFさんご夫婦の隣を確保した。そこはステージの正面、Fさん達との話に夢中になっていてLIVEが始まるのに気ずくのが遅れてしまったくらい、振りかえると1m先には今にも歌い出しそうなおけいさんと香真良さん、ついつい自分の居場所を間違えてしまったようだ。
今日のおけいさんは、流行のガーゼ生地風の白いワンピース姿(女性のファッションには疎いので表現はご容赦)。ゴールドのペンダントネックレスやブレスレットも身につけられて,フェミニンかつゴージャスな装いだ。ゆったりナイトも3回目でもあり、リラックスした雰囲気でLIVEはスタートした。言い忘れたけど、この日はゆいさんをはじめ関係者の方々も何人かおいでになっていた。
最初の曲は"へのへのもへじのあかちゃん",つづいて"それから"とおけいさんが参加される以前からの六文銭の曲だ。3曲目はオリジナルの"おしゃべりのつづき"。おけいさん自身も懐かしい方々とお会いされたということでそんな想いの歌との紹介をされていた。
続いては白石アリスさん作詞の"昼下がりの夢"。これはアルフィの前身であるコンフィデンスの歌。おけいさんの歌で聴くのは3回目かな?いつも気になるのはユーカリはオーストラリアしかないはずなのにキリンやライオンが出てくること。まあ細かいことはいいか!?
さて、今やソロのおけいさんには欠かせないギタリストの香真良さん。彼もまたおけいさんにとっては大切な出会いのひとりだ。ゆいさんの紹介でスタートしたこの組み合わせ、お互いがどう感じているかは不明だけど、おけいさん曰くボケとボケの組み合わせで会話は中々噛み合ないものの、すばらしいテクニックのギブソンギターとおけいさんのヴォーカルをフォローするコーラスは、あらかじめ予定調和されていたかのようなコンビネーションだ。まる六とは違う、おけいさんらしい魅力を引き出す香真良さんはソロのおけいさんにとって最高の音楽パートナーだと思う。
しかし、驚くべきことに彼はおけいさんが六文銭で活躍していた頃にようやく生まれている。歳の差は・・、それを全く感じさせない落ち着きと何よりおけいさんの若々しさだ。
次の曲はジョニミッチェルの"サークルゲーム",これもソロのおけいさんの定番の曲。そしておけいさんがはじめて作曲した"ホワンポウエルの街",そしてKNOBとの出会いのきっかけとなった青木まり子さんが歌う"病める果実"をおけいさん風に聴かせて頂いた。この歌、作詞はあの佐々木幹郎さん、そして曲は坂庭省吾さん、こちらも色んな出会いを感じさせる方々だ。
前半最後の曲はおけいさんの作詞・作曲による"うれしくて"。いろんな出会い、人の縁に想いをはせて作られた曲とのこと。どうやら、このあたりが今日のセットリストの選曲のキーワードのようである。
後半はCDから3曲、
"はじまりはじまる"、"あめのことば",そしてまる六のテーマソング(@たくみ)である"ただあたたかくカラッポに"。この曲、30年前の出会いから、28年振りに歌うことを再開した喜び,楽しさを歌にしたものだと言う。同時にまる六の中でおけいさんのソロが最もフューチャーされた曲でもある。
続いてはこれもオリジナルの"かざぐるま"。作曲の香真良さん曰く"おけいさんの曲にはテンポの早い曲がなかったから"とのこと。曲先でおけいさんが詞を当てたもので、おけいさん自身もお気に入りの曲のようだ。続くようにこちらは香真良さん作詞・作曲による"またね"。おけいさんはこの歌を歌うたびに、香真良さんに意味深な歌詞をネタにちょっかいを出し続けているけど香真良さんはクールにノーコメントを貫いている。いずれにしても切なさと可愛らしさが同居しているその歌詞におけいさんも甘酸っぱい青春の出会いの頃を思い出されているのかしら・・
そして"ガラスの言葉"。ジャギーな感じとこへさんの詞のマッチング、これもひとつの出会いかも知れない。
続いてはオーバーチュアのようにはじまる"星に願いを"。再びオリジナル最新の曲"静かな雨"、今日のおけいさんはなんとなくいつにも増して楽しそうに歌ってみえる。KNOBのアットホームな雰囲気がそうさせているのか?あるいはいつにも増して顔馴染みが多いオーディエンスに心が和んでいるのか、おけいさんのソロならではのセットリストにいろんな想いが詰まっているのかも知れないな。
最後は定番の"春の風が吹いていたら"。実は、おけいさんは後半から、すべて立っての歌唱となっていた。同じリズムを取るのも、華麗なステップが踏めるこちらの方が合っているのかも知れない。この歌の盛り上がりのパートではもう少し広いステージがあったらと思うほど、おけいさん自身が春の風に舞っていた。
お決まりのアンコールには、ゆいさんも加わって"その向こうの"スタンダードジャズのような曲、ゆいさんとは姉妹のようなユニゾンで、今日の楽しいLIVE.いろんな出会いの想いがつまった夜が終了した。
週が開ければ、今年3度目の北海道ツアーも待っている(なんとクルマによる移動とか),5月中旬の北海道はまさに春の風が満ち満ちていることだろう。
かく言う私も、LIVEを楽しんだ夜、おけいさんのLIVEを通じてお知り合いになった方とクルマのお話で盛り上がることができた。こうした新しい出会いの場を演出して頂いたおけいさんにはますます感謝感謝の夜であった。
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コメント
富士さん
こちらこそ、何やら一方的にしゃべりまくってしまって
ご迷惑だったのではと心配しておりました。
人見知りのくせにおしゃべり(しゃべりすぎ?)な悪い癖が出てしまいました。
また、まる六の日にお会いできればと思います。今度は音楽談義が
できれば・・。
本当にありがとうございました。
投稿: たくみ | 2008-05-13 23時54分
過日はお世話になりました。
ゆったりとした楽しい時間にお騒がせしてもうしわけありませんでした。
気分は若いつもりでも中身は・・・でした。
無理がきかなくなっているのを実感いたしました。
後半の様子がたくみさんのおかげで目にうかびます。
家人はたくさんお話できたと喜んでいました。
自分で言えば良いのにシャイなので~
ステキな出会いに感謝しています。
これからもよろしくお願い致します。
投稿: 富士 | 2008-05-13 22時33分