フィラデルフィアは••今日は経済の話
フィリーズが優勝した。
今頃はフィラデルフィアではしばし金融危機も忘れてお祭り騒ぎだろう。
監督は赤鬼マニュエル、ヤクルトと近鉄で大活躍した強力助っ人だった。
聴くところによると大リーグでは1割打者だったらしいが、顎に死球を食らってもアメフトみたいなガード付ヘルメットで打席に立った、如何にも日本人受けするエピソードに溢れた熱血漢だった。そんな彼も64歳とのこと、確かに確実に時代は流れているということか?いずれにしても決して強力なチームではないフィリーズを頂点まで連れて行った手腕は賞賛されるべきだろう。田口ともども(結局彼はほとんど試合には出ていないが、強運だけはチームに貢献したのかも知れない)おめでとうと言いたい。まるで楽天と横浜みたいなチーム同士だったけど、金満チームじゃないという点では,今のアメリカの象徴かも知れない。
実はフィラデルフィアと言うと、コールドケース、リリーラッシュが今はおすすめだ。と言っても誰もわからないか?大好きな海外ドラマ、フィラデルフィア市警の殺人課、所謂お蔵入り事件を解決していくドラマだ。とにかく主演のキャスリンモリス演じるリリー ラッシュがキュートで引き込まれてしまう。同時に事件が起こった当時にヒット曲が流れる再現シーンと当事者が時間の経過分だけ年老いて今の時代を演ずるパラレルな構成もなんとも魅力的だ。
さて、話は経済に。
口曲がり首相にとっては、ラッキーな金融危機。まさかこれを口実に解散を先延ばしにしてバラマキ政策で少しでも支持率を上げようという姑息さは、余にこの国の現実を写す鏡のようで情けない。
小泉・竹中ラインのなんちゃって新自由主義経済で、儲けることが善という幻想を植え付け、挙げ句は郵貯資金もリーマンに任せる形で大損金を計上している。競争=善というのは一見真っ当に見えるけど、結局は逆ハンディキャップ戦しかできないわけで(そもそもスタートラインが同じ競争なんてリセット無しにはあり得ない)、強いものがより強く、弱いものはより悲惨になるのは目にみえていたはずだ。今の格差社会なんてできるべくしてできている。こんなマヤカシに気づくことなく、まねっこ先のアメリカの破綻で、ようやく気がつくという愚かさ。その小泉はちゃっかり息子を後継に仕立てあげているのだから、結局はそのレベルであったということか。
ただ、一部の金融貴族や新バブリー連中を除けば(ヒルズや汐留辺りのペントハウスの住人は心穏やかではないはずだ)日本のファンダメンタルは底固いことを忘れてはいけない。株価大暴落で何十兆円も消えたと騒いでいるけど、結局は金融工学で膨らんだ仮想資金が消えただけだと思う。でなければ、円高ではなく円安にシフトするはずだ。現状は基軸通貨のドルを基準に大騒ぎしているが、単純に考えれば11000円の株価が8500円で22%も下落したが、円は110円から95円に上がったわけでこれは価値が1.15倍になったことになり、実質的な株価価値は8500円×1.15=9775円で11%しか下落していないことになる。今回の暴落でこの程度なのは多分日本ぐらいだろう。何せアメリカは株とドルが同時に暴落している訳だから。
確かに輸出産業中心の日本にとっては円高は不利かも知れないけれど、同時に日本は資源のない国で加工貿易が基本である。当然輸入品は安くなる。更に一時1バーレル140ドルだった原油も今は65ドル、しかも円高ということで当時の感覚で言えば実質50ドル、そう1/3位になっている計算だ。しかもアメリカ経済は短期的な失速でなく、根本的には実態経済はとうに破綻しているわけだから早くても10年以上は立ち直れないはずなので、新たな市場開拓という命題は残るものの、日本にとっては好機と考えるべきだろう。株価も思惑というか、世界中を廻るファンド資金の影響で同時株安になっているけど、落ち着けばファンドの架空資金が力を失えば、実態経済に合わせて上昇に転ずると考えるのが普通だと思う。唯一の心配は、どうみても経済が判っているとは思えない口曲がり政府で、その意味でも1日でも早い退陣が必要だと思う。
そして、今や政策の大転換が必要なのは、小泉/竹中シフトで萎んだままの国内需要、購買力の拡大政策だろう。安易に金儲けしやすいバブリー市場に目がくらんで、アメリカや実態のない富裕層にシフトした商品企画が、実は意味がなかったことがますます明らかになってきている。今こそ市井の市民にとっての必要な商品開発、それを支える政策、そう、こう言う時期だからこそ給与を上げて国内市場の拡大を図るべきだと思う。こんな時になんていう経営者は即刻辞表を出せばいい、埋蔵金は霞ヶ関だけでなく、大企業の懐にも溜まっているはずだ。何しろイザナギ景気を越える景気拡大と言われた時にも、一切給与を上げず、万一の時に備えるなんて嘯いて内部留保していたことを忘れたはならない。実態経済は廻ってなんぼで、どこかに滞留するだけでは活性化しないのだから、今こそ経団連でもなんでも音頭をとって、数年前に遡って利益の適正再配分を図るべきだと思うが如何に。
口曲がりが考える瞬間的なお年玉なんて全く意味がない。ましてや選挙をのばす代わりに池田君に恩を売るぐらいにしか思ってないのだから(さすがに愚かな国民も今度は騙されないと思うけど••)
かわいいリリーラッシュを見ながら経済のことを考えてみた。
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