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2009-01-03

シアワセのカタチ

厳しい寒さで明けた2009年でした。
テレビでは相変わらずの年末年始番組が続いています。
それでもいまひとつバカらしさにも精彩がないように思いますがいかがでしょうか?
そう、企業の広告宣伝費で支えられているテレビ局にとってもこの金融不況は影響大なのです。

そんなことはともかく。こんな時代だからこそ考えたいことがいっぱいあります。
つい最近まで、金儲けこそが正義、勝者と敗者の区分は金があるかないかであったり、と日本中が思い込んでいたように思います。
もちろん、金儲けが悪とはいいません。ただそれは金を持っているということだけでそれ以上でもそれ以下でもありません。
そう、大企業のトップや金を持っている政治屋が偉いわけではありません。
権力はそのものだけで存在するのであって、それを行使するものが持っているわけではないのです。
悲しいことに、人は勘違いする動物です。
ですから、行使することができること=権力を持っているということを、金を持っていることが権力だと勘違いしている人間がどんなに多かったことか。
同時に私たちは、そんな時代にお金を持っていることへのあこがれを尊敬と勘違いしてしまったのではないでしょうか?

今日の新聞に興味深い記事が載っていました。
独市民の72%が「社会悪化」
20年前のベルリンの壁崩壊に関して、当事者であるドイツ市民の半数がその前より経済状況が悪化したと言うのです。更に72%が社会情勢が悪化したと答えているとのことです。

今でも象徴的に使われる壁を市民が打ち砕く映像、誰もが共産主義の崩壊とあたかも資本主義が勝利した瞬間のように使われています。
にも関わらず根本の経済でも半数が、何より人の心がベースとなる社会状況が7割以上の人が悪化したと答えているのです。言い換えれば、共産主義でも資本主義でも人をシアワセにすることができなかったという事実だと思います。

しかし、その20年前から昨日まで、世界中が資本主義、金儲け主義の熱病に冒されていました。
その先頭を切って病原菌をまき散らしてきたアメリカが、瀕死の病人であることにようやく本人が気がついたようです。これから、発病した世界中の国がリハビリを開始しなくてはなりません。
残念なことに、病人のお片棒を担いでこの国に病原菌をまき散らしたエセ政治屋やエセ経済政治学者がまだまだ大きな顔をしていますが・・まあ、この人達につける薬はないのでしょう。

実は20年前に崩壊したのは東ドイツ、共産主義社会だけではなく資本主義を含む20世紀の思想すべてではなかったのでしょうか?
拡大再生産を基本とする資本主義は地球が有限であること、その地球に今でも67億の人がいることをイメージできていません。まるで地球が際限のない天動説の時代の思想のように思えます。
同時に共産主義もまた、本気で67億の人が同等レベルの生活ができると信じているのでしょうか?
この地球上でどのレベルの生活なら67億の人が暮らせると本気で考えているのでしょう?
つまり、21世紀の世界は20世紀の思想では誰もシアワセにできないことは明らかです。
つまり以前の南北格差がそれぞれの国内の格差に移行しただけだと思います。

思想や哲学で飢餓は救えませんが、心の平和、シアワセのカタチのためには重要だと思います。
こんな時代だから、21世紀のシアワセのための哲学を考えたいと思います。
答えがそんなに簡単に見つかるとは思えません。
だから、今日から少しづつ探していきたいと思います。

そしてシアワセのカタチはけっしてひとつではないと思います。
人それぞれの固有のものだと思います。
だからこそ、ひとりひとりが自分のシアワセを大事できる世界にしたいと思います。

シアワセのカタチ

考えることが一番のシアワセかも知れません。
今日からスタートします。
これからもどうぞよろしく です。

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