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2009-02-21

ラジオの話 その2

言うまでもなく放送の原点はラジオにありました。
更に言えば、ラジオ放送の原点はライブ、実況中継にあると思います。
その空気感というか、電波を通じながらも現場と繋がって同じ時間、空間を共有している感覚がラジオの命なのだと思います。

その点、テレビは映画の代わりのような気がしてなりません。
ライブ感とは別の世界観がそこにあるように思います。
それだけ"絵"という最大の情報を強制的に見せられることにより、テレビは情報を一方的に受け続けているような気がします。だからこそよりエンターテンメントなものを求める、同時に情報を受け取る準備を無意識な内にしているために意味が希薄な瞬間芸なり、ワンフレーズを意味あるものとして認識してしまう恐ろしさがあるのだと思います。無論、それがエンターテイメントなものであれば罪はないのですが、意図的に利用するものが現れると例の小泉劇場みたいなものに巻き込まれてしまいます。

テレビの黎明期に故大宅壮一は一億総白痴化とその功罪を語ったのですが、ある面それは今の状況を言い当てていたのだと思います。つまりテレビとは考える力、創造する意識を巧妙に奪ってしまう魔力があるのかも知れません。

だから、テレビが嫌いと言うわけではありません。
つまり受けて側の意識さえしっかりしておけば、より短時間により多くの情報を得ることができる訳ですから。だからこそ熟成吟味したものがより重要なのだと思います。だから生が似合わない?そう、テレビの価値って、結局録画してでも見てみたいと思うかどうかだと思うのですがいかがでしょうか。

いやいやテレビこそNEWSショーなど生の醍醐味が生きるメディアだとおっしゃるかも知れません。ある面、同じ言葉でもそれを伝える顔、表情で印象が変わるのも事実だと思います。しかし、そこにはとても大きなフィルターがかかっていることを忘れてはなりません。スポンサーあってのテレビだなんて陳腐な理屈は置いといて(以前、金持ちのパトロン気取りでメディアに復讐してやるなんて言っていた大企業の元トップがいたのは事実ではありますが),やはり何より時間の壁が大きいのだと思います。短い時間で如何に伝えるかに腐心する余りその本質を見失ってしまう。啓蒙を忘れ"判りやすさ"という呪縛の中で真実の重さを無くしているように思えてなりません。前にも書いたように、考えることを放棄させ写しだされるものをすべて事実と錯覚させることがあることを忘れてはならないと思います。
だから、私にとってのテレビはドラマやスポーツ中継を見るもので、NEWSショーはあくまで情報収集の一部として見る事にしています。

さてさてテレビ論ではなく、ラジオの話です。
やはり私のラジオは深夜放送に行き当たります。パーソナリティと言う言葉の如くその人に与えられた2時間が何とも魅力的でした。テレビのように30秒だと誤摩化せても2時間はとても持ちません。とりわけパックインミュージックはもうひとつの別の広場として、放送を通じて時間/空間を共有できることを感じた初めての番組だったような気がします。そうラジオと言っても生ワイド、限られた時間内に伝えようとするのではなく、伝えることがあっての時間であることが重要なのだと思います。更には、絵による情報がないことは伝える側にはそれだけ高度な能力が要求され、同時に受けて側には音だけで伝えられるものを理解するための想像力、創造性が求められると思います。

その1でもご紹介した安住君の日曜天国、2時間の生ワイドですが冒頭の30分近くを正にオープニングとして話だけで進行されます。これが抜群に面白いんですね。何より安住君の人となりがダイレクトに伝わってくる気がします。そこにはテレビでは決して伝わらない素の姿がありました。理屈抜きにどんなお笑いネタより心から笑えます。彼は多分21世紀の久米宏として今後ますます成長していくような気がします。そんな彼が今でもラジオにホームグランドを持っていることがステキなことだと思います。
ここで最新ネタを。醤油フリークの彼に送られた醤油をプレゼントするにあたり聴取者まで巻き込んだ話。笑わずにいられる方が見えたら国宝級です。

試聴 口の固い男

それではご紹介第2弾として、エリア外でもPCやPodcastでも聴けるおすすめ番組を紹介します。
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まずは、TBS以外ということで文化放送”大竹まことのゴールデンラジオ"です。あの大竹まことが月-金で毎日2時間半の生放送です。全編ではありませんが都合1時間程度を3つのコーナーに分けてPodcastで聴く事ができます。
この番組の魅力は大竹まことがゲストと繰り広げるメインディッシュ。この出来の善し悪しが大竹さんの好き嫌いで明確に出るのが面白いですね。予定稿のようには行かない、ゲスト側も何らかの思惑で出ているのですが、予定調和のない中で無意識の内に素が出てきます。

<試聴>メインディッシュ2月18日 長妻昭さん

<視聴>紳士交友録(月曜レギィラー) 森永卓郎さん

次は再びTBSですが、逆にエリアの方がラジオで聴くのが困難です。何故ならゴールデンラジオの完全裏番組なのです。同時通訳でも有名な小西克哉さんとマッピーこと松本ともこさんのコンビで月-金生ワイドのストリームです。

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ゴールデンラジオも同様ですがレギュラーゲストが多彩でそれも魅力のひとつになっています。
特におすすめはアメリカ在住の町山智浩さん、勝谷誠彦さん、そしてブックレビューでもおなじみの豊崎由美さん(彼女のコンビでもあり大森望さんはゴールデンラジオのレギュラーでブックレビュー担当なのも面白いですね)ですね。こちらもPodcastが充実しています。合計1時間近くが毎日配信されています。実は小西さんは私と同い年、誕生日も1週間近くしか離れていないので勝手な親近感があるのと、多分同じ空間を共有してきた感じがトークに端々に感じられてうれしい感じがします。

<視聴>コラムの花道 090217町山智浩さん

<視聴>コラムの花道 090129豊崎由美さん

最後は唯一、昔の深夜放送の香りが残る番組を。
言い忘れましたが、深夜放送の後、そうフォークがニューミュージックと衣替えするのに合わせて中波からFMへラジオの主役が変わっていきました。確かにクリアな音質は新しい時代、アナログレコードがCDに変わったような感覚があったのですが、結局音楽を流すだけなら何もブロードキャストである必然性もなく、人の言葉の暖かさについてはAMには及ばないということで、同時に深夜放送世代が再びAMに戻ってきたということでAMラジオが復活しつつあるということだと思います。

最初は伊集院光の深夜の馬鹿力です。
彼はもう30年近く前からラジオの世界の住人です。当時はANNのパーソナリティ。基本的にブラックです。テレビに出て博識ぶりを見せる彼とはジキルとハイドのように違います。どちらが本物の彼なのか?

そして同じくTBSの爆笑問題カーボーイ。こちらもブラックに磨きのかかった太田光がいます。説明は不要ですね。


では次はまたいつか。

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