まつりのあと・・
まもなく3月も終わり、ある面燃え尽き症候群のようになっていたけど、季節の歩みはそんなことおかまい無しに進んでいく。
日本では二人のイチローが話題の中心だった。
何も小沢一郎をかばうつもりはないけど、少なくとも政治資金規正法の記述不正による起訴しかできなかった時点で検察はあくまで恣意的な逮捕であったことを認めたようなものである。国策捜査とまでは言わないが、また小沢一郎の持つうさん臭さも否定はしないけれど、法治国家である以上イメージで人を裁くことはできない。しかし、今回のことは結果として微罪(そう、これまでなら記載ミスということで修正するだけで済んでいたレベルの容疑である。検察はくるしまぎれに金額の大きさ等を述べているが、少なくともこれまでの経緯で言えばもっと大きな金額であっても逮捕まではしなかった。)で、逮捕/起訴に至る事案でないことは法務関係者の間では常識だと思う。仮にこれをきっかけにもっと大きな犯罪を狙っていたのかも知れないが、それができなかった時点で検察の負けである。と同時に明らかに功を焦った勇み足であることを認めるべきだろう。少なくともその影響の大きさを考えるならば。
更に問題なのは、まるでメディアの連中も政権交代を望んでいないかの如く、小沢側に不利な情報というか、権力側が垂れ流す情報を鵜呑みにするだけで、その意図、裏側をえぐろうと言う気概さえもないのは情けないというより怠慢以外の何者でもないだろう。
漆間官房副長官の事件など、明らかに権力とその記者クラブという御用組織との癒着以外の何者でもないだろう。中川ヨッパライ大臣の時もそうだが、権力側に擦り寄り、情報を頂戴する以外何もできない奴らにはジャーナリストを語る資格はないと思う。少なくとも今回の小沢公設秘書が逮捕されるのなら、自民党は元より野党も含めて大半の議員も同罪、大同小異のレベルのはずだ。
今ここぞとばかり叫んでいる自民党の連中は、まさに天に唾するようなものだと思う。
案の定、60年続いた日本の衆愚政治は、これで官僚連中の支配から逃れる最大のチャンスを無くしたかも知れない。そう、漆間も警察官僚出であるのと同様に検察もまた官僚組織の一部であることを忘れてはならないと思う。
誤解があるといけないが小沢が潔白と言っているのではない。民主党政権が大事なのではなく政権交代が大事なのだ。権力構造が定期的に変わることでのみ腐敗する権力を防ぐことはできない。いろいろ問題があるアメリカだけど唯一認めなければならないのはどんな大統領でも2期8年が最長であるということだろう。しかも大統領が変わると一部の下級官僚以外はすべて総取っ替えになる。つまり悪事を働いてもと8年後にはバレてしまうということだ。だから少なくとも権力内にいる間でも不正はできない。それくらい人間って弱いものだということであると思う。
果たしてマンガ太郎はほくそ笑んでいるみたいだけど、馬鹿でも勤まるほど呑気な世界情勢ではないことは間違いのない所だと思うけど・・
さてもうひとりのイチロー。そのカリスマ性がはがされる寸前で、また伝説になってしまった。それもまた運のひとつに違いない。このスーパースターが色あせないのは、期待以上はないかわりに、期待には十分応えることだろう。日本に数少ない天才のひとりだ。確かにWBCが野球の最高峰かどうかは疑問だけど(MLBの人材発掘オーディションとも言われるが)日本人の趣向には会っているのだと思う。
続いて重要で、かつ残念なニュースである。
以前からラジオの時代と書いてきたのに、この3月で7年続いたTBSのストリームが終了してしまった。小西克哉とマッピーのコンビで、報道のTBSの名残を残す希有なプログラムだったのに、TBSはずっとラジオ部門ではダントツトップだったのに、この経済不況が足を引っぱったのか?少なくともその報道姿勢が気にくわないという理由だったら、TBSもすでに死んでしまったことになる。ラジオ、テレビを通じても昼のストリーム、夜のアクセスが唯一TBSらしい番組だっただけに、この番組終了はあまりに痛いと思う。
なんとなく1982年のパック終了の悪夢の再来のようで、これ以上メディアが大本営発表の情報を垂れ流す金太郎飴みたいな時代にはなっては欲しくないと思う。
最後はうれしい、でも少し微妙なニュース。
週末から始まったF1からビックニュースが飛び込んできた。なんと開幕のオーストラリアGP予選でブラウンGPがフロントローを独占したというのだ。ピンとこない方が多いと思うけどこれって凄いことなんです。
雨などで大波乱の結果ではなく、ガチンコ予選でダントツの1,2位というのはそのマシンのポテンシャルがずば抜けていると言える。しかも、エンジンとシャシーとのドッキングからわずか1ヶ月足らず、というよりチームが正式に発足してからも1ヶ月というのは、奇跡と言っても言い過ぎではない。実はこのブラウンGP、中身はホンダF1なのだ。ホンダがF1を撤退したのを受けてチームマネージャーだったロスブラウン=フェラーリの黄金時代を支えた名マネージャー、が自ら買い取ったチームなのだ。実は昨年、ホンダは08シーズンを棒に降ってでも今年のレースに賭けてロスブラウンを迎え、チームを一から作り替え、マシンもレギュレーションの大幅変更を見据えて開発していたのである。その意味でも09年にF1を撤退すると聞いた時は嘘だろう!何のために08シーズンを捨てたのって思っていたのだけど。ホンダの連中もさぞや悔しがっているだろうなって思う。
さて明日の決勝、このままブラウンGPが優勝したら・・実はその可能性はかなり高いのだけど、天国の本田宗一郎さんや中村良夫さんは自分のことのように喜ぶんだろうかなって思う。但しエンジンはメルセデスだけどね。
果たしてこちらも祭の後になるのか?あるいは後の祭りかな・・
まあ、少なくとも政権交代の祭りだけはもう少し頑張って欲しいけど。
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