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2009-04-07

星降る高原に・・おけいさんのうた

3月のライブの余韻のまま過ごす日々が続いた後、
新しい年度のはじまりでもある4月は、いつもとちょっと違うライブ行脚となりました。
今回はカミサンと一緒、しかも長距離ドライブでの遠征です。まあ、何が目的かと言えば、私は無論おけいさんのライブですが、カミサンにとっては日常の嫁として、母として、ほんの僅かの妻としての状況から束の間の逃避行のようなもの、カミサンなりに長女に留守を託して、土曜日の朝8時過ぎにとにかく出発しました。

今回の行き先は日光。とは言え私は霧降高原で開催されるおけいさんのライブだけど、カミサンにとっては修学旅行でも行ったことがないという東照宮がお目当てです。
ですから本音としてはカミサンの日光行きに便乗する形での日光行き、クルマは600Km先の日光へ向かってとにかく走り続けます。
心配された天気もなんとか持ちそうだし、東海北陸道、東海環状自動車道、中央道、長野自動車道、上越自動車道、関越自動車道、北関東自動車道と7つの高速道路を乗り継ぎ、一端桐生で降りて東北道、日光宇都宮道でようやく日光に辿り着く状況でも渋滞は一切なくスムーズに進むことができました。

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15時頃、到着し早速東照宮へ。
私にとっては中学の修学旅行以来の東照宮、40年近く前ということでほとんど記憶は飛んでいます。その意味ではカミサン同様に新鮮な感覚で見学することができたのかも。
見ざる言わざる聞かざるの彫刻、豪奢な陽明門、眠り猫、鳴き龍を結構急な石段を上ったり降りたりで想像以上に体力のいる見学です。
途中で予定よりも早く雨が降り出しました。やはり雨男、雨女の存在は確かかも・・・
いずれにしても東照宮を見てしまえば目的の半分はクリアしたようなもの、いよいよライブ会場近くのペンションへ。

このペンションの売りはおいしいお料理、ところがペンションなので夕食は6時半からと決まっています。おけいさんのライブは7時から、いくら近いとは言え30分ではお料理を作ったオーナーにも失礼だし、カミサンも慌ただしく食べる夕食では申し訳ないと思い、最悪カミサンだけでも食事ができればいいやと半ばあきらめていたのだけれど、オーナーにライブのことをお話すると快く30分前だしの6時からの食事をセットして頂くことになりました(感謝/感謝)
オーナーのご好意に感謝しながら噂どおりにおいしい料理をカミサンと一緒に堪能し,さていよいよライブ会場へ。カミサンは大きなお風呂に入って日頃の寝不足解消で早めに寝るとのことで、心置きなくライブを楽しむことになりました。

今日の会場は霧降高原の別荘やペンションが並ぶ一角にある幾何楽堂。高原にふさわしい大きなログハウスです。
オーディエンスは板の間の大広間に車座になっておけいさん達を迎えることに。この時点ではまだ高原には冷たい雨が落ちていました。

オープニングアクトはオカリナの演奏。自らオカリナ工房を主催する瀬戸さん。直前に食べたタイカレーが辛すぎたということで少々咽せりながらも、見事な演奏です。最後の1曲は一晃さんのギターもサポートで加わり、アメリカ製の大きなまきストーブでしっかり暖まった会場だけでなくオーディエンスの心の中まですっかり暖まっていったような気がしました。
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さあ、いよいよおけいさんの登場。
今日のおけいさんはめずらしいスカート姿。真っ赤なセーターにプリント柄が映える白いスカートは高原に春を連れて来たように華やかに雰囲気を醸し出しています。
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そもそも今日のライブは昨年9月に佐野で開催されたライブに訪れたTさんが、そのライブに感動して一気に開催までこぎ着けたというもの。この会場もお知り合いの方のものということでその他の多くのお仲間のご協力でアットホームな雰囲気が満ち満ちていました。
おけいさんも木の温もりのある雰囲気がお気に入りの様、いつも以上に歌の説明を加えながら楽しそうに歌われています。

今日の雨に絡めて、何故か雨の歌が多いんですよって笑いながら・・
スタートは"雨が空から降れば"から、最近の定番"ネコのうた""ホワンポウエルの街"へと続いていきます。
ご自分のことや一晃さんのご紹介をされながら、おけいさんのテーマソングのような"ただあたたかくカラッポに"へ

一晃さんとのコンビも早4ヶ月、以前にも増してコンビネーションが進化しているよう、おけいさんのヴォーカルにからんでいく一晃さんのコーラスもいつにもまして響いてくる。
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今日の会場に合わせてということで"遠き山に陽は落ちて"をしっとりと、そして一晃さんのギターテクニックも鮮やかに。
更には"傷ついた小鳥"、おとのばにも収録されている"木の椅子",そしてリクエストが多いという"この大空に捨ててしまおう"へと続いていきます。
前半の最後の曲は定番のような"うれしくて"で、あっという間の至福のひとときが流れていきます。

今夜のステージと高原を隔てているのは硝子1枚だけ、おけいさんのやさしいヴォーカルに高原の動物達も耳を傾けているのかも知れません。
いつのまにか雨も上がり、高原には輝く星が降っていました。

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束の間の休息があけて、後半は"はじまりはじまる"でスタートしました。
雨はあがりましたが、雨の歌、まる六時代の歌が続きます。"あめのことば”そしておけいさん作の"カザグルマ”で一気に盛り上げます。

ここでふたたび『おとのば』からの1曲。多分六文銭'09におけるおけいさんの代表曲になる予感の"一緒に帰ろう"。糸田ともよさんの深い詩にこへさんが曲をつけ、すべてを包み込むようなやさしいおけいさんの声で表現されるこの曲は、受けて側の心の深度に響いてきます。

そして、一晃さんが最近フォーク少年に変身する曲"ガラスのことば"。
今夜のような染み渡る"静かな雨"。おけいさん作のこの曲、歌の力、ヴォーカルの力が満ち満ちてきます。そして畳み掛けるように"What a Wonderful World"へ。

丁度この日は人口衛星という名のミサイルが飛んだとか間違いだとか騒がしい日。チキンレースのような恫喝とはったりが無能な政府同士で飛び交っている日でもあったのだけれど、それを理由に軍事費増強だとか核武装だと煽動する輩が多いのもこの国の現実なんだと、そんな世界と、おけいさんが届けてくれる世界の差が無くなる日は来るのだろうか・・

そしてこの日のエンディングは"春の風が吹いていたら"高原にも確実に遅い春が訪れてくるようです。

そしてアンコールは定番の"インドの街を象に乗って"そして"私の青空"で霧降高原の夜は更けていきました。

ライブの後、このログハウスのオーナーでもあるKさんの活動(ひとり1冊の本を寄贈する森の図書館)に賛同する形でおけいさんが選んだのは『ちいさなおうち』、どんどん変わっていく世界の中で、何も変わらないちいさなおうちを通じて本当に大切なものは何かを語っている絵本でした。

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おけいさんはこの絵本をお子さんに読み聞かせをしてみえたそうです。
ステキなヴォーカリストである前にステキなおかあさんであり、素敵な女性であることがおけいさんの魅力の源泉なのだと思います。

変わるものと変わらないもの。
変わるものは時代と共にその役割を終え、変わらないものはいつまでも新鮮に輝き続ける。大切なものって多分そうしたものだと思うのだけれど、
時代と共に人の心も変わっていく・・
だからきっと、変わらない、本当に大切なものを見つけることは
誰にでも出来ることではないのかも知れない。
でも私は、確かに星降る高原で本当に大切なものに
今夜も出会っていたと信じている。

宴の後、幾何学堂を出て宿に戻る道すがら
春の夜の星空が微笑んでいるように輝いていました。
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たくみのまる六&おけいさんLIVEレポート」カテゴリの記事

コメント

シゲルさん

コメントありがとうございます。
おけいさんのスカート姿、珍しいといえば珍しいのですが
時々は拝見できます。ただパンツルックの方があの長~い脚が
わかっていいのかもしれませんね(*^-^)
六文銭’09のCD,とってもいいCDだと思います。
昔の六文銭時代でも聴けないような曲も入っていて、
おけいさんメインの出発の歌はとても同じ曲とは
思えないのでは・・と。

いずれにしてもお体に気をつけて是非、LIVEで
そのすばらしさを確認なさってください♪

投稿: たくみ | 2009-04-10 18時27分

たくみさん、こんにちは。日光ライブは会場も素敵な処みたいで良かったですね。おけいさんの珍しいスカート姿も拝見しました。羨ましいな~ 今年は都合が合わず、ライブに参加できません。
まあ体調維持してれば何処かで楽しめるでしょう。22日の新アルバムを
期待しつつ・・・

投稿: シゲル | 2009-04-10 14時39分

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