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2009-06-21

小樽にて六文銭'09 ライブ、生きているライブということ。

北海道巡礼2日目、函館からの移動はレンタカーで。
朝9時に予約してあるレンタカー会社へ。車両指定はできなかったが、用意されたクルマは旭川ナンバーのインプレッサ4WD。一人の移動にはもったいない感じ、しかも雪もあるわけないし・・。

今日のルートは事前に北海道出身の方に教えて頂いた基本は5号線を北上するルート。大沼〜倶知安〜余市〜小樽に至る280Km、新婚旅行以来のニセコも通過する予定だ。このルート函館本線も平行して走る。六文銭の皆さんは列車移動のはずなのでどこかで邂逅するかも知れないな。
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※こんな駅舎が続く・・函館本線の特急北斗。スーパー北斗はもう少しおちょぼ口だけど。

ノンストップで走れば4時間弱の距離、だけどせめて少しはベストシーズンの北海道の一部も感じたいということで高速は八雲〜長万部区間だけ、後はひたすら5号線を走っていく。大沼まで函館本線と平行して走る。無人駅もいくつかあって取りあえずクルマと人が少ない以外特に特徴のない道が続いていく。以下はいくつかみつけた北海道の初夏のワンシーン・・
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※突然現れたエゾカンゾー(多分?)の群生地。そしてクルマのいない道路。

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※こちらはエゾ富士。数十年前の新婚旅行はニセコへのスキー旅行だっけ。但し私はひとりホテルで風邪で寝込んでいたけど・・。そしてもうひとつの北海道の初夏の象徴?ルピナスの花。

さて、紀行文はこれくらいにして本題に移らなくては・・
函館の次の聖地は小樽。私にとっては2回目の街、カミサン達とツアーの観光コースとして数時間滞在しただけなので所謂街並をじっくり見るのは初めてとなる。しかし、函館とよく似ている。港に向かって坂道まるけ、運河に添った古い倉庫群や煉瓦or石造りの古い建物、強いて言えばロープウェイがないことくらいかな(笑)
今日の会場は一匹長屋、フォーク系の居酒屋ライブハウスである。こへさん、おけいさんをはじめお馴染みのお店ということで、アットホームな感じのライブになる予感。お店はメインの通りからアーケード、寿司屋通りを越えたあたりにあった。海岸線と平行する通りということで坂道はないのは助かるなあ。

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※海に向かってこんな感じの傾斜がある。お店はこの奥にあった。

定刻は7時半、会場についた時点でほぼ満席の状況。入り口側に席を確保して開演を待った。まず小室さんとこへさんが定位置についてチューニング、おけいさんとゆいさんを呼び込んでライブがスタート。

まずは函館同様に"夏・二人で"から。同じように小室さんとゆいさんがポジションチェンジする。昨夜以上にマイク不要な感じで会場中にギターの生音が響き渡る。

今日は2部構成なのでセットリストも変わるはずだけど、"雨が空から降れば"同じようにおけいさんのお帰りなさいソングとしての"ただあたたかくカラッポに”"面影橋から"と昨夜と同じ曲順で進行していく。

ただ、曲順は同じでも会場の違い以上に昨夜とは明らかに異なる空気感が会場全体を包み込んでいった。
そう、六文銭'09は究極のライブバンドだと思う。小室さんにしろ、こへさんにしろオーディエンスの息づかいが聴こえる場所でのライブを積み重ねてきた方々である。ある面、オーディエンスの理解度に合わせていろんな駆け引きを仕掛けてくる。何よりそんな流れというか空気感を途切れさせないために乗ってくると逆にMCが少なくなる。
とにかくこのお二人ときたら、片方でお互いに仕掛け合いながら、同時に二人で共謀?してオーディエンスにも仕掛けてくるのだから、その感覚はCDをどんなにすばらしいオーディオセットで再生しても得る事ができないものだと思う。

前にも書いたけれどCDを天井にライブではその音に近づけることに汲々となっている者がどんなに多い事か?あるいは再現性がないことを承知でMCで誤摩化すのも多いけれど、更には金にあかせて大編成のバックで違うパフォーマンスにする者、それに対し六文銭'09はそこがどんな会場であっても、我々の想い次第でいつでも最善のパフォーマンスを魅せてくれる。だから巡礼の旅はやめられない。

そんな流れの中で、"街と飛行船""ゲンシバクダンの歌,"戦場はさみしい""おしっこ"とたたみかけるように続いていく。

とにかく今日の小室さんのテンションは凄い。小室さんの両腕はライブが始まると愛用のギターと一体になる。ネックを支え弦を押さえる指、弦をやさしく弾き、かき鳴らす右手の指自体が最上級のピックの様だ。まるでひとつの体の中にヴォーカリストの小室さんと右腕と左腕の天使が宿っているようだ。
ゆいさんによると特に最近全体のその傾向があるとのこと、多分、50年近く休むことなく続けられてきたそのパフォーマンスは奇跡と言ってもいいのかも知れない。少なくともライブではその腕や指の動きをみるだけでも感動するはずだ。

さて前半は後2曲、同じように戦争に向かっていった時代の空気にきな臭さを感じた中也に想いをはせて"サーカス"を。そして突然、こへさんが客席に移り3人と対峙する形で"引き潮"を。自然なサラウンドのように会場全体にやさしい声と2本のギターの音色が包んだいった。

休息を挟んで、後半はおけいさんの初CDである"初恋"のご紹介から、こへさんや小室さん親子のCDの予定など,個の集合体、おとの場に集うメンバーであることを印象づけるようにメンバー紹介からスタートした。

最初の曲はおとのばの収録曲であり,同時に最後の唯一の六文銭のLPのタイトルでもあった"キングサーモンのいる島"。とにかく転調を繰り返しながらこへさんの伸びやかなメインヴォーカルの大好きな曲だ。
以降は主にメインを取る方が曲を紹介していくスタイルに。
こへさんの曲だけど、ゆいさんとおけいさんのユニゾンがステキな"木の椅子"をゆいさんが、そしてこの日お誕生日でもある糸田さんの詩にこへさんが曲をつけた"一緒に帰ろう”を当然おけいさんが紹介する。この時は再び小室さんがおけいさんの横へ移動してソロヴォーカルを際立たせる。

"ひげのはえたスパイ"で再びスパイ物語の関連を話そうとして、なかなか進まない話にゆいさんから"頑張って"と声が飛んで、こへさんに話をまとめられてしまいそのまますねたように、歌に入っていく。
続いて今度はゆいさんがさがゆきさんの"大きなグミの木の上で"を紹介して歌いはじめる。

いよいよ終盤に向かってラストスパート。どうやら糸田さんの詩に連れられて姿が見えない?オーディエンスもやって来たようで、ステージや客席でいたずらを繰り返しているらしい。その流れのままに"いのちかえす日”そして一緒だけじゃなくみんなで生き様をわいわいがやがやと語りながらやってくるという"12階建てのバス"で後半は終了した。

当然のアンコールに入る前に小室さんが"どうせアンコールするなら最初からアンコール分を歌えばいいのに"と呟くと、おけいさんが"そうしたらエンドレスで終わらない"と反応、それを受けて再び小室さんが"そもそもアンコールって、歌った歌の拍手が止まなくてもう一度同じ歌を歌ったものなんだ"と解説。結局、"でもアンコール貰えなかったら困るのでこれでいいか"と変に納得して定番の"サーカスゲーム"そして"出発の歌"で大団円を迎えた。

ライブの後、こへさんのお知り合いの方から声を掛けて頂き、しばしお話して、そのまま会場での打ち上げに参加していた、巡礼の中の安息の時間、楽しい夜はあっと言う間に過ぎていった。
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※恒例のサイン会、そしてマスターのギター仕様のウクレレを小室さんが弾くとこれがまたすばらしい。ステキなお土産だった。
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翌日、本当は札幌、旭川と帯同したい想いに後ろ髪を引かれながら帰路につく。多分、両日とも更にステキな夜が続くことは確信できるので、本当に辛い帰路だった。その性なのか千歳空港は雨に曇っている。
せめてもの救いは名古屋に到着する途中、窓から見えた綺麗な富士山の姿。

六文銭'09のライブは正に生きている。だから、本当は1度たりとも見逃すことはできない。それが許されないのが人生だけど、だからこそ参加できることの喜び、その場に立ち会えるシアワセを心から感じざるを得なかった北海道巡礼の旅だった。六文銭'09に幸あれ。巡礼者はとにかくその場に可能な限り集うことを願いたい。

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たくみのまる六&おけいさんLIVEレポート」カテゴリの記事

コメント

wincさん!!

お久しぶりです。
最近なかなかそちらにお伺いできなくてすいません。
ところで、黄色いのはエゾカンゾーでいいんでしょうか?
長万部から倶知安へ行く途中で突然道の両面黄色いお花畑に
なりました。ルピナスはそこら中に咲いていました。

投稿: たくみ | 2009-06-23 19時36分

たくみさん、こんにちは。
函館と小樽のライブ、たくみさんの巧みなレポートで参加したかのような気分にさせていただきました(*^-゜)v♪
画像にある皆さんの横顔で雰囲気が伝わってきます♪
いろんなお写真の中にエゾ富士や圧巻の富士山もあり、十分楽しませていただきましたm(_ _)m

投稿: winc | 2009-06-23 14時49分

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