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2009-09-06

The Debate

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私の大好きなドラマ ”THE WEST WING"。
今は最終のseason7、実はこの途中でバートレット大統領の首席補佐官、このシリーズではサントスの副大統領候補レオ・マキュギャリー役の名優ジョン・スペンサーが心臓発作で急逝してしまったことから、予定していたseason8を止めたという噂がある。もともと当時のオバカなブッシュ政権とは逆に極めてリアルな世界情勢に合わせて有能な大統領とそのスタッフの活躍を描いているこの作品は、ドラマと判っていてもブッシュでなくバートレットの方が本物だったらどんなにいいかと思わせる質の高いドラマである。

因みにジョン・スペンサー演ずるレオはseason6で心臓発作で倒れて首席補佐官を解任(実は大統領と意見の衝突があり解任直前でそれが心臓発作の遠因のように描かれている)されるのだが、新聞でジョン・スペンサーの訃報を聞いた時、あまりの類似性というか偶然に、亡くなったのはレオの方かと混乱してしまうほどだった。
更に言えば、以前にもご紹介したように最後のシーズンでバートレットの後任の大統領は初の有色人種(ヒスパニック)のサントスがなるのだけど、これはオバマ誕生を予感させる内容になっているというか、オバマに合わせて脚本を書き上げたと言われている。もちろん当時(2004年時点で)は、オバマは民主党の候補にすらなっていない、当時の民主党内の候補ケリーを応援する1上院議員に過ぎなかった。しかし、理想の大統領を描こうとするスタッフにとっては何かインスパイアさせるものがあったのかも知れない。

(以下はTHE WEST WINGの紹介からの抜粋です)
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バートレット政権の次期政権を担う大統領候補選びが始動するシーズン6では、次期大統領候補として民主党のマシュー・サントス(ジミー・スミッツ)が新たに登場する。このマシュー・サントスはなんと、オバマ大統領をモデルにして生まれたキャラクターなのである。

本国でシーズン6が放送された2004年、一躍注目を浴びた政治家がいた。ジョン・ケリー議員が立候補した2004年大統領選の党大会で、イリノイ州の若い政治家が基調演説で「人はみな平等であり、ブラックのアメリカも白人のアメリカもラティーノのアメリカもアジア人のアメリカもない、ただあるのはひとつのアメリカなのだ。」と感動的なスピーチを行った。自分にチャンスを与えてくれたアメリカという国をたたえたスピーチは高く評価され、一斉に全米の注目を浴びた、それがバラク・オバマ上院議員(当時)だった。

オバマ議員のスピーチに感銘を受けた「ザ・ホワイトハウス」の脚本家(アル・ゴア元副大統領の元スピーチライター)は、すでに、ラテン系俳優ジミー・スミッツがキャスティングされていたことから、特に人種や社会問題に対するオバマ議員の考えを参考にしてマシュー・サントス役を書き上げていき、演じるジミー・スミッツはオバマ議員のスピーチを研究、実際に会って話をするなど、マシュー・サントスは当時のバラク・オバマ議員をモデルとして作られたのだった。(実際、マシュー・サントスとオバマ大統領は同じ1961年生まれで、共にボブ・ディランファン。)

一方共和党からの大統領候補としてアーノルド・ヴィニック(アラン・アルダ)というキャラクターが登場するが、こちらもマケイン氏を彷彿とさせるキャラクターで、党の中では少数派の自称マーヴェリックというベテラン政治家、しかも年齢までマケイン候補と同じなのである。初の白人以外の大統領になる可能性を秘めた若手ホープと共和党のベテラン政治家が大統領候補・・・まるでこの前の大統領選とまったく同じシチュエーション?! それにサントスの前に立ちはだかるさまざまな試練は、人種に関することや若さゆえの経験不足を攻撃されるのをはじめ、まさにオバマ大統領が切り抜けてきたものと同じであり、話題になる社会問題や両者の政策にいたるまで、2008年の大統領選のそれと非常に似ているのである。

2004年から2005年にかけて制作されたシーズン6は、まるで2008年の大統領選をドラマ化?!しているかのような展開を迎える。実在する若手政治家をモデルにしただけのはずだったのが、いきなり4年後を大胆予測してしまった?!いったい脚本家がどこまで4年後の大統領選を予知してしまったのか、感心しながらぜひ楽しんでいただきたい。
※以上がサイトからの引用です。

ついでに言えば、season3途中では例の9.11事件が起きて、半ドキュメンタリー風の特別番組"イサクとイシュマエル"も話題になった。あの異常な空気の中で、偏見では何も解決しないことをテレビ人としてしっかり表現できるこの番組のスタッフに敬意を表したいと思った作品である。空気に流されない、信念をもった姿勢は民主党政権になったとたん急に態度を豹変させた某国営放送の連中には爪の垢でものませてやりたい。

さて、このseason7は2年間に渡って行われる大統領選をシリーズ通して描かれているのだけれど、そのエピソード7"The Debate"は、全編が共和党候補のヴィニックとサントスの討論会なのだけど、これがすごい。
何が凄いって全米で放映された時は生放送されたのだ。確かにいつもは映画のようにフィルムでの放映だけど、この回だけはビデオ映像だった。すべてシナリオどおりだとしたら45分出ずっぱり、しゃべりっぱなしの二人は台詞を覚えるだけでも大変だろうに。更に全米ならではというか東部と西部の二つの時間があるので、生放送も2本だて?で実施したそうなのである。しかも、内容が少し違うというのだから・・・
ご覧になれない方への説明するのは困難だけど、それはまさに本物の大統領候補による討論会と言っても何の疑問もおきない内容だと言えば、その凄さの何分の1かはご理解頂けるかも知れない。

だから、THE WEST WINGはやめられない。

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