香真良さんのこと。
木村香真良さんって言っても一般の方にはなかなかわからないのかも知れない。
"ポップスバンド"三人鉄道のリーダー兼ギタリストと言われても・・かも知れない。
このポップスバンドという言い方はシャイな彼らしい表現。ライブで魅せるギブソンの名手という言い方をいやがってみえた。さすがに困って"香真良さんのギターは何て呼べばいいんですか?"ってお聞きしたら、すかさず"ポップスギターでいいです"っておっしゃっていた。
ただ何と言っても希代の名ギタリストであるのは確かである。更にはこのバンド名、いかにも鉄ちゃんである彼らしい。
ついでに言えば、詳しくは知らないがオールナイトニッポン(因みに彼は72年生まれ)ではハガキ職人として名を馳せていたともいう。これは実に意外な面でもある。
そんな彼に最後に会ったのはもう1年以上も前、2008年の11月24日の浜松でのライブだった。正直なところこれが最後のライブになることは知らなかった。確かに2009年の4月にはニュージーランドの歌姫ヘイリーのサポートギタリストとしてツアーに参加するのはお聞きしてはいたのだけれど、その後は劇団四季のミュージカルの演奏もなさるとのことだったけど、この魅力的なギタリストの演奏にその後、触れることができなくなってしまうとは・・・
無論、今も彼の世界でご活躍だとは思うのだけれど・・
正直なところ、最後のライブから年を越した3月、私の主催で四角佳子さんのライブを名古屋で開いた際も、当然香真良さんのギターでだと思っていた。
もちろん、2009年の年明けからおけいさんのサポートとして参加している古橋一晃さんはとても素敵で、有能なギタリストだし、香真良さん同様魅力的なのだけれど、初めて四角さんのライブを体験したときからのおつきあいだっただけに、何より最後にお会いした時、遅くまでご一緒したにもかかわらず、またお会いできるものと満足にご挨拶もせずお別れしてしまったことがずっと心にひっかかっているのかも知れない。
初めて拝見したのは2006年の11月、ペニーレインだと思う。
ソロのライブを始めるにあたり、ゆいさんのご紹介(ゆいさんとはもともとお知り合いだった)で四角さんのサポートギタリストになられたとのことだった。
それまで小室さんやこへさんのギターでの四角さんしか知らなかっただけに、実際には親子でもおかしくない香真良さんとの兄弟のように息の合ったパフォーマンスを拝見してすっかりその世界に浸ってしまった。香真良さんのやさしくすがすがしいギターの音色と、ソロとして凛とした四角さんのヴォーカルはまるであらかじめ予定されていたようなコンビネーションのように思えた。
※香真良さんピンぼけでゴメンナサイ!
何より四角さんの初CD"初恋"にも収録されているオリジナル曲の大半(CDの為の書き下ろされた曲を除いて)は、そんなソロライブで披露されていたもので香真良さん作曲のものだった。
作詞の方は四角さんだけど、その曲は本当の意味で四角さんのことをよく理解された香真良さんだからこそ、ソロとしての四角さんの魅力をよく引き出されていたと思う。中でも”シアワセになれる天才"や"しずかな雨"はパーソナルベストの曲でもある。
そしてもうひとつの魅力は、当然のように六文銭時代の曲を四角さんのソロで歌うためのアレンジがとにかく秀逸だった。古橋さんになってからも基本的には同じアレンジで演奏されているが、完全に四角さんのソロ用の歌になっていると思った。
これ以外にも"ガラスのことば"や海外のスタンダード曲についてもある面、香真良風にアレンジして四角サウンドとして心に響いていた。
そんな中でも香真良さんの最大の功績は個人的には2007年の4月1日に初めて聴いた(実際には数日前の広島からだけど)"春の風が吹いていたら"の演奏&アレンジだ。正にこの歌を四角サウンドに、新たな命を吹き込んだ歌に仕上げたことだと思う。今もライブでかならずと言っていいほどセットリストに入り、もちろん初恋にも収録されているけど、昔とはまったく別の曲になっていると思う。香真良さんだからこその編曲と言えるものだった。
ギタリストであり、アレンジャーであり、ソングメーカーであり、四角さんのライブでは見事なハーモニーも聴かせる魅力的なヴォーカリストでもある。本当に多彩な香真良さんだから、より幅広く活躍の場を求めてみえるのだと思う。本当にもっともっと飛躍できるアーティストだと思うし、何もできないけどますますのご活躍を心から願っている。
でも、またどこかでお会いして今度こそキチンとご挨拶ができるといいなって思う。
実はあの頃が今よりもっと楽しめていたと思うし、だから香真良さんのお気持ちもあの時より少しはわかる気がするから・・
グーグルで探しても今のご活躍の様子がよくわからないけれど、どこかできっとご活躍なさっていることを祈りながら。
香真良さん、また素敵な曲を創ってくださいね♪
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