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2010-06-19

菅政権に期待できるのか?

坊ちゃん政権が1年足らずに頓挫した。
面白いことに、アメリカメディアの分析では、左右両派とも主犯はオバマ政権だと断定していることだ。
確かにほんの僅かでも沖縄で譲歩の姿勢を見せれば、鳩山君の寿命も伸びただろう。正直、アメリカにとって沖縄ほどおいしい基地はない。確かに戦略上有利な地であることは事実だろうが、それ以上に今や米軍基地は世界の嫌われ者なのだが、沖縄にいる限り思いやり予算なり、屈辱的な地位協定なりで天国にいるようなものである。

アメリカ政府的に分析したところ、鳩山君は理想の人ではあるが、実行力はない、政権基盤も2/3の議席を持っていながらけっして盤石ではない。そして鳩山君の理想を具現化すべき取り巻きは官房長官を筆頭に貧乏な時代に鳩山君の金だけがたよりの腰抜け連中だ。だから鳩山君の思いを潰すことなんか、60年かけて日本国民を洗脳してきたアメリカにとってみれば赤子の手を捻るよりも簡単なことだった。

アメリカが一番恐れたのは鳩山君の想いに日本国民の眠っていた嫌米軍思想が頭をもたげ、米軍基地撤去の世論がわき起こることだった。今回の問題は大学構内への海兵隊ヘリの墜落事件を契機に巻き起こった嫌米軍思想が沖縄だけでなく本土にまで波及することを恐れて、当時の橋本政権と米政府が普天間基地の移転で(その移転先が辺野古なわけだけど)沈静化を図ったことがそもそもの発端なわけで、まあ鳩山君が老練な真の戦略政治家だったら、そんな世論の高まりを武器にアメリカにもう一段の妥協を迫ったのだろうけど・・

アメリカは子飼の外務省を使って鳩山君の外堀を埋め、メディアを使って(まあ、こちらも官房機密費なんていうアキレス腱があるからコントロールも容易だろう)スキャンダルを増長し、場合によっては世論調査の改ざんなんてお手の物だろうに。
何より側近と言われる官房長官や防衛大臣なんて政治家をやっているのが不思議な連中だから、あっと言う間の崩壊だった。
少なくとも総責任者の総理大臣の意向を実現するために奔走すべき内閣が、客観的に見れば、その意向を潰す方向へのベクトルしか見せなかったことが何よりの証拠だと思う。もし有効なブレーンなら、具体化しているグアムへの完全移転を前倒しするような方向で動くことも出来たはずなのに、何故、新しい基地を国内に作る策しか提示しようとしなかったのか不思議でならない。沖縄でいらないものを国内に作るとすれば反対運動が起こるのは当たり前のことで、それよりなにより鳩山君以外は徳之島での反対運動が盛り上がるのを期待していたような節もある(鳩山君にあきらめさせるために)
それは反対のための反対党である社民党の離脱まで、そのステップの一環だったように思うのは私だけだろうか?

さて、本題だが。
実はこうしたアメリカの動き、意向というのが菅政権発足と密接な関係があるとしたらうがちすぎだろうか?
菅直人という男は市民運動家として金持鳩山君と対比して好意的にスタートしたけれど、その本質はバルカン政治家としての権力欲の強さを忘れてはならない。本来、鳩山よりリベラルであるはずの彼が、打ち出している政策の数々はアメリカ政府&財務省に都合のいいものばかりである。確かに郵政に関しては賛否両論はあるが、仮に参院でも単独過半数を確保できれば、その法案の中身についても再度の揺り戻し(財務省に都合のいい方向で)は必須だと思う。
そして普天間/辺野古問題についても、同意は尊重するものの沖縄負担軽減に向けて努力すると言うのではなく、地位協定内容の改善を含め、一段の譲歩をアメリカ政府と交渉すると言うべきだろうに・・、まるで自民党政権のように具体的な中身がまるで見えない木で鼻をくくったような発言しかしていない。
消費税論議にしても、財政視点での話のみで、政治家や官僚の既得権益については一言も触れようとしていない。

何より鳩山政権で僅かに動きだした記者クラブ問題や官房機密費問題についても更に推進するといった姿勢はまるでうかがえない(まるでメディアと手打ちをしたかのように・・。キラキラで上杉隆さんが呆れていたが)

選挙戦術として予算委員会を開催しなかったのはともかくも、代表質問への対応も原稿棒読みで鳩山より遥かに劣る内容だった、その割に消費税の会見だけは饒舌だったのはどうなのだろうか?

めざとい菅が、政権を握るために一連のアメリカ政府の対応、メディア戦略、官僚連中からの籠絡運動に損得だけで魂を売ってしまったかのように見えてしまう。
その意味では期待値からすれば、遥かに物足りなく見える。何より鳩山政権誕生時のようないかにも政権交代したんだという期待感が湧いてこないように思える。

微かな期待としては、
菅以外の主要閣僚/党幹部が旧さきがけ世代で、菅よりは根性が座っているように見えることと、何より菅がバルカン政治家の面目躍如として、取りあえず政権が安定するまでは操られているように振る舞っているだけなのかも?ということだけか・・・

別件だが、スポーツコーナーのイザコザで江川紹子がサンデーモーニングに出演できなくなったそうだ。たかがスポーツコーナー、ましてや一出演者の我が儘で関係のないコメンテーターの出演に影響するなんて、TBSとしてはオーム事件以上に大きな失点のように思う。こんなことだからキラキラやNEWS23で取り上げている官房機密費問題に一言も触れようとしないサンデーモーニング自体、逆に出演者の多くがその機密費の対象者であったことを宣言しているようなものだと思うが如何に。

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