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2010-09-05

びぎんの珈琲

珈琲大好き人間の私にとっての原点は、
今は無き上前津のダッチ、珈琲だけの店だけど夏だけサマージュースと言ってグレープフルーツベースの生ジュースが懐かしい。モーニングサービスが話題の名古屋だけれど、このダッチにはそれはなく、ただ10時にならないとおしぼり(これも名古屋特有かも知れないが)が来ないので、それまでの間だけシナモントーストがサービスされる(これが実に旨い)。ホント、こんなダッチを無意味な駐車場にしてしまった地上げ屋が憎らしい。
"いらっしゃいませ、いらっしゃいませ、いらっしゃいませ"と3回早口で言われるご主人(暇な時は何故かウインナ珈琲用の生クリームを大きなボールで作っている)と背の高い、とてもあか抜けた奥様のコンビは、珈琲の味以上にお気に入だった。新瑞橋のダックとか鶴舞のダッチとか千代田の太郎とか同系のお店は何店かはあるけれど、やはりこのダッチとはひと味もふた味も違う。

そしてもうひとつは、
こちらは名古屋の珈琲好きで知らないとモグリと言われるびぎん。
旧名古屋証券取引所前、というかスカイルの裏というか。今は名古屋のソニーショールームに変わってしまったビルの細い路地を挟んだ半地下、入口の焙煎所を横目にドアを開けるとびぎんがある。
カウンターだけで10数席、注文を取ってから自家焙煎した豆を挽いて、目の前でネルドリップで淹れてくれる。
その濃さというか、香りで大抵はその味の虜になってしまう。
証券会社がいくつもあったからかも知れないが、この味を忘れられない人のために随分前から豆の販売、宅配便を使った配送をやっていた。30年近く前、はじめて来た時から、そんな注文の紙があったから、珈琲豆の販売は年季が入っていると思う。

さてさて話が長くなったけれど、
金曜日の夕方、急にびぎんの珈琲が飲みたくなって、知人と出かけた。
いつもの様にドアを開けると、どこか様子が違う。お客がひとりもいない。ご主人だけが一人。"もう閉店ですか?"すると"やっています"とのこと。
但し、ドアの張り紙を見るとこの時間は豆の販売だけの営業とのことだった。

・・・仕方なく?レギュラーブレンドの豆を200g(因みに100g540円)を購入して・・自宅で挽いて金曜日からもう何杯もびぎんの珈琲を飲んでいる。
Photo

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