12月のうた 東京での六の日。
久しぶりの東京での六の日。
南青山のマンダラ以来だろうか?
やはり、東京での六の日はひと味違う?ホームグランドと言おうか、何よりオーディエンスの違いが一番の違いかも知れない。
過去を振り返るまでもなく、この六の日に六文銭’09の節目を迎えているように思う。今回もその例に漏れず、六文銭'09としての新曲も何曲か披露された。
今回の会場は下北沢の音倉。
この街は都心に近いにも関わらず雑然とした雰囲気があり、それがある意味魅力になっている。
小田急下北沢駅から数分の場所にある会場は、開演30分前の7時にはほぼ満席となっていた。お知り合いの方々、そしてそんな皆さんと談笑されていたこへさんにご挨拶をして席に着く。
ほどなく、小室さん達もステージに登場して、この月だけの定番として茨木のり子さんの"12月の歌"で六の日はスタートした。ここで小室さんが曲の話から茨木さんの話へ。その遺稿(茨木さんが夫の死後35年に渡ってしたためていた茨木さんの熱情的な面を垣間みることができる秀作。茨木さんはご自身で葬儀から何からなにまで遺書によって段戸った上で亡くなっている。何よりこの遺稿も生前ではなく,亡くなってから出されることを準備されていた)でもある「歳月」の話になってようやくこへさんが乗ってくる。するとゆいさんが"そんなことやってると時間がなくなっちゃうよ"って呟く。実はその後、そのままになっていくのだが・・・
2曲目は"キングサーモンのいる島"六文銭'09としては久しぶりの演奏。言うまでもなく最後の六文銭唯一のアルバムのタイトル曲でもある。演奏後、小室さんがその"コード進行は天才的"と話出される。"こんな進行ができるのはビートルズかバッハだけだ・・"と褒めているのか揶揄しているのかギリギリの表現が笑わせる。
更には"私はスパイ"。そして、六文銭'09としては初めてという"ひとりぼっちのお祭り"。小室さん曰くしんどい割には徒労感だけが残る歌と話されていたが、4人での、オーディエンスを巻き込んでのシャウトはこのユニットならではと思う。こうなると小室さんシャウトの"おもちゃの汽車"も聴いてみたくなるなあ♪
続いて"木の椅子""大きなグミの木の上で"とおなじみの曲が続いた後で今日最初の新曲ということで"ニンジン"が披露された。
曲としてはシンプルながら、詞の持つ世界観と躍動感溢れるハーモニーがステキなものだった。ニンジンって赤毛の男の子のニックネーム、ジュールリナール作の小説が元になっている。
そして"戦場はさみしい""サーカス"と続いていく。
正直、今日は一部構成なのかしらと思うセットリスト、次はすでに10曲目になる。小室さんが"今日も恒平がセットリストを決めるんだけど、次は最近では一番最後に演奏する曲だけど・・"として始まったのは"12階建てのバス"。
確かに後半はどんな仕掛けが待っているんだろうと思わせながら前半を終了した。
後半のステージには小室さんとゆいさんだけが。
小室さん曰く六文銭スピンオフということでラニヤップのCDから中也の"月夜の浜辺”でスタートした。
続いてはこへさんのCD発売以後の曲として、同じく糸田さんの詩に曲をつけた"小石"をこへさんフューチャーで歌われる。この曲は糸田さんが亡くなられたお父様への想いを綴ったブログに糸田さんの違う面を発見されたということで創られた由。歌というより詩を朗詠するかのように歌われる。
小室さんの初恋は?で"初恋"が続く。
そして定番の”雨が空から降れば"に。ここでステージ上では緊急ミーティング?が。
どうやら当初のセットリストではここから4曲雨の歌が続く予定だった由。しかしゆいさんの懸念が現実となったようで時間が押しているということで2曲割愛することになったらしい。
予定では雨の締めとしての"雨”が小室さんのヴォーカルで響き渡る。
ここで再び新曲ということで“ベトナミーズゴスペル"が。こへさん曰く10年位まえから取り組んできてようやくものになりつつあるとのこと。クラリネット奏者の梅津和時さんの曲におおたか静流さんが詩をつけたもの。所謂反戦歌ではあるけど、聞き取れた部分だけだけど"いつの日かこの空を越え、あなたの側に行きたいから、やがてくる光の明日、信じて生きていくの"と歌うそれはすべてゆったりと流れて行く歌だ。オリジナルは聴いたことはないけど、このユニットのハーモニーが雄大なイメージでオリジナルでなくても六文銭’09色に染めていくように感じた。
そして最後もユニットとしての新曲ということでボブディランの"フォーエバーヤング"。
ポールロジャースさんの絵にアーサービナードさんが翻訳した絵本"はじまりの日"が元らしいのだが、どうも曲に乗らないということで小室さんが意訳したとのこと。
これで2010年の六文銭'09の最後の六の日が終了した。
アンコールは初めて何も用意してなかったとのことで、最近鳴るようになった71年モデルの小室さんのギターの話を挟んで"出発の歌"そして"無題"で幕を降ろした。
2009年に六文銭'09となり2010年を終えた時、その名の由来どおりか、ゆいさんの存在感が増した1年だったのかも知れない。2010年の終わりに新しい曲、新しい方向性を披露したこのユニット、当然ながら新しい年も聴きのがすことができない。立ち止まることを知らない(その分、新たな心配もあるのだが)生き続ける六文銭'09を追いかけることが、正にフォーエバーヤングな人生なのかも知れない。
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