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2011-04-01

今日はエイプリルフール。

ステキな嘘ならいいけれど、東日本大震災をきっかけにこの国の政治家、官僚、産業界、そして何より今や最大の利権構造の大メディアが、よってたかって嘘を流し続けてきたことの綻びが一般の方にもわかる形で見えてきた。

とは言ってもまだまだ大本営発表こそ真実と思う(多分、村社会意識で違うことを考えていることへの恐れなのか)人が多いのだけど。

そんな中、大本営発表の記者クラブに対抗して自由報道協会を立ち上げた上杉隆さんや岩上安身さんが4月以降にそれぞれのラジオ、テレビのレギュラーから閉め出されることになった。岩上さんは何と言ってもフジサンケイGのトクダネだから、よくぞ今までとは思うけれど、上杉さんの場合は魂をとっくに売ったテレビと違って何とか踏みとどまっていたTBS-Rからの閉め出しだから、記者クラブ勢力の最後のあがきのような暴挙である。これでなんとかレギュラーを維持するのはTBS-RのDigの神保哲生さんぐらいになるのか?

そんな上杉さんが最後のキラキラで話していた。相変わらず、まとまりのない(そう彼の発言そのものは決して面白いと思えない、かろうじて活字になると納得できるのだが)話だったけど,彼自身もいつも話しているが、決して記者クラブが悪で自分達が正と言っているのではない。記者クラブであろうがなんであろうがジャーナリストとして権力に対峙して真実を伝えようとするのであればいいのであって、そうであれば当然メディア毎に視点や内容が異なって当たり前、読者はその多様な意見を自分自身の判断で取捨選択すればいいのだが、金太郎飴のように同じ内容、しかも時の権力に擦り寄って権力のチェック機能を果たさない護送船団に成り下がっているから批判しているだが。

今回の東電原発事件(あえてこう言おう)でもそれが余に露骨なのだ。
今、わかっているだけでも以下の嘘とそれを追求さえできない記者クラブメディアの実体がある。
実は東電は東電本店で断続的に記者会見を行っている。そのほとんどは岩上安身さんのユーストリームでLIVE中継されているのだが、この会見はさすがに記者クラブ以外のメディアにも解放されているのだが、そこで質問する内容を見ていると如何に記者クラブの記者達が幼稚で勉強不足かが明らかになる。ここでは肝になる質問は上杉さんをはじめ、海外メディアなどの通常の会見には参加できないところからのものばかりだ。

たとえば,プルトニウムの話。
当初東電の発表する放射性物質の項目にプルトニウムはなかった。
これを何故ないのかと質問すると,東電は津波に流されて計測機器がないと答える!
それを追求すると翌日、検査をしたが分析には1週間かかるという。
ところが計測機器の会社は検査は1日あればできると書いてあるとさらに追求すると、やっとプルトニウムが検出されたことを明らかにした。つまり機器がないと答え、検査に1週間かかるという、逃げられないとわかると舌の根が乾かぬ内に計測結果を発表する。嘘をつきまわって最後に居直るという姑息さだ。しかし,ホントに政府が関与しているのであれば東電は政府にも嘘を言っていたことになるし、そうでなければ政府もそろって嘘をついてきたことになるのに、こんなことを記事にしたメディアはどこにもない。

それどころか、プルトニウムがあることがバレると、御用学者総動員で,やれα線は障子紙1枚で遮断できるとか、重いから飛散することはないとか安全噓のオンパレードで火消しに躍起になる。その片棒を御用メディアが担いでいるのだから。
そんなに安全なら、日本以外の国はみんな噓を言っているのかな?

そして、会見に出てこない東電社長の件を追求したのも上杉さんだった。これに対しても本部にいると当初噓を突き通し、あげくの果てに逃げ切れないとわかると緊急入院ということでここでも居直る。それさえも既存メディアは知らん顔だ。

なぜここまで既存メディアが体たらくなのか?
第一には東電が彼らの大スポンサーであることなのだが、追求できない一番の理由が思わぬ形で明らかになった。これもフリーランス記者からの追求で明らかになったのだが、3月30日、事件後初めて記者会見に応じた勝俣会長は震災当日にマスコミ幹部を引き連れて(東電側の完全おごりで)慰安旅行に出かけていたのだ。当初プライベートなことと逃げていたが、ついにその事実を認めていたのだ。これだけズブズブの関係ではまともな質問などできるはずもない。

そして当然?ことだが、東電会長の会見のニュースでこのこと(慰安旅行)に関して報じた新聞、テレビはどこにもなかった。会見を中継していたNHKもこの下りになると何故か中継を打ち切ってしまったのだが。

4月1日。すべての会見を記者クラブから解放して自由に参加できるようになった。
そんな噓が本当になるのはいつのことだろう。

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