この国のメルトダウン
喉元過ぎれば、
この国の市民レベルを見透かしたように重要な情報が小出しされてきた。
曰く、福島原発1号機の燃料ペレットの大半が溶融、メルトダウンのしていること。
2号機、3号機も同様の状況であること。つまり稼働していた福島原発のすべて(4号機は定期点検中)がメルトダウンしていたということになる。
震災直後にメルトダウンに言及したNHKの解説委員、保安員の担当者を慌てて隠避しておきながらのこの実体は、如何にメルトダウンということが政府、電力会社にとって不都合だったかということがわかる。そもそもセシウムは炉心溶融=メルトダウンが起きないと発生しない物質なのに,片方でセシウムの存在を明らかにしながらメルトダウンを明確に認めないという矛盾を何のためらいもなく続けてきた政府=東電と、それをそのまま垂れ流す護送船団メディア、これこそ情報操作以外の何物でもない。本来のメディアの役割はこうした矛盾を追求し、真実を明らかにするためにあるのに・・・
更に重要な事実は、東電、政府が想定外、未曾有という言葉をつかって言い訳に利用した津波被害だが、今回のメルトダウンにおいて津波がその被害を拡大したのは事実だけれど,実は津波以前に地震そのもので原発の非常発電装置が損傷を受けていたことが明らかになったことだ。
それを誤摩化すために,突然2ケ月前の津波の写真=如何にも津波が原因であることを印象づけようとするものを公開した。この小手先の手法が、そのまま紹介されるというのも、あまりにレベルが低い。
つまり、少なくとも福島原発は今回の地震の揺れに対応する耐震性能でなかったことが明らかになったことだ。津波が襲う前にすでに非常電源装置が損傷を受けていたことは、他の原発の耐震機能への信頼が大きく揺らぐことになる。地震+津波の危険性を理由に稼働停止を依頼した浜岡原発以外も同様の危険性があることが明らかになるというのをどうしても押さえたい政府、電力会社側の思惑がミエミエの展開で、それを何のためらいもなく,出す方も出す方なら、それを伝える方も伝えるほうだと思う。
これって結局、それを受ける市民側のレベルをその程度と見透かしているとしか思えない。まあ、これまでの状況からすれば仕方ないけれど、やはり市民の意識レベルを上げる事がもともな政治、報道を取り戻す唯一の手段なのか・・
しかし、政府=民主党の愚かさは程度を越えているが(菅直人は論評するレベルにすらないし)、輪をかけてこれまで電力会社、利権の渦にまみれて原発推進をしてきた自民党は何の反省もなく、政府批判する節操のなさを見るにつけ、この国の市民レベルよりも遥かに程度の低い政治のレベルにあきれ果てる。やはり、これも市民意識待ちなのか。
この国自体がメルトダウンする前に何とかしなくては・・
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