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2011-07-12

復興。小室さんの50年

今年初めてのLIVE。
最近ではめずらしい大きな箱。
新宿のスペース・ゼロ、正直大きな会場の割には判りにくい場所にある。
ついつい文化服装学院前まで行ってしまった。
さすがに違うとわかり駅方面に歩き出すと”あ~あのビルだ”と目的の会場に向って歩き出すと、見慣れた顔が・・
Wさんが会場とは別方向に視線を向けて歩いてきた。お声を掛けて、Wさんも少しほっとした表情が。"よく判らないんだ。会えてよかった、知らずに歩いて行くところだった"
100m程戻ったところが会場だった。もう大勢の方が入場中だった。ここでKさんにもお会いできて今日の予定の半分は終了。今日のライブの様子に想いを巡らす。このメンバーだから長く、長~くなる予感はあるが、まもなく、こちらの愚かな予想は一気に裏切られることに(無論、いい意味で)
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今日の構成というか音楽監督は谷川賢作さんとのこと。
あくまで小室さんの50年ということで会場で配布された今日のセットリストは六文銭ではなく、あくまでソロとしての小室さんのヒストリーをピックアップしたものだ。そして谷川さんもだけど、その師匠でもある佐藤充彦さん、そして坂田明さん、坂田さんと同じサックス奏者の梅津和時さんとジャズ、それもフリージャズの重鎮が揃い、多くの詩は谷川さんの父君でもある詩人、谷川俊太郎さんの曲がラインナップされている。
更には林英哲さん、ドラムの渡嘉敷祐一さん、アコースティックベースの吉野弘志さん、もうひとりのサックス田中邦和さん、ヴォイオリンの太田惠資さん、ギターの 鬼怒無月さん、鈴木大介さん、ブルースハープの八木のぶおさんと淙々たるメンバーが控える。そして小室さんフィールドからも李政美さん、さがゆきさん、竹田裕美子さん、佐久間順平さん,田代耕一郎さん、六文銭'09のメンバーが揃う。更には俊太郎さんの朗読もあるとなると、これはもう豪華というより誰をどんな組み合わせで登場させるか、何をしてもらうかと2時間余りのステージにどう完結させるかなんてプロデューサーなら逃げ出したくなるようなものだと思う。

という意味でお祭り騒ぎとしては成立するものの、多くの場合、ゲストの顔見せ興行的になってしまう恐れがあるのだが・・果たして、

結論から言えば、それはまったくの杞憂だった。
それは佐藤充彦さん以外は小室さんより若いというのもあるのだろうけど、全曲小室さんが歌い、音楽監督の賢作さんがそれをサポート(小室さんは介護と呼んでいたけど)するメンバーを効果的に配置するという手法で、次から次へとセッションが進んでいく。舞台設営はその都度マイクや譜面台の配置を変えなくてはならないけれど、決して顔見せでなくその曲、曲に合わせて豪華なユニットが転換していくのは見事というしかなかった。何しろピアニストだけでも充彦さん、賢作さん、竹田さんとさがさん(当日はヴォーカルで徹してみえたが)、サックスも坂田さんに梅津さん,田中さんと贅沢なメンバーが揃っているのだから。
何より謙遜もあるのだろうけど、ある意味だからこそと思うのは、小室さん曰く”リハーサルをせずにぶっつけ本番の楽しさを狙った”とおっしゃるように、それぞれの方がお互いを探るように、そしてひとたび自分の世界も一気に演じ切るそれは緊張感にも溢れ、オーディエンスをわくわくドキドキさせるに十分なものだった。
それらもすべて小室さんお得意?の鵜飼の鵜匠のごとく、まとまりがないように見せながら実は、それがひとつのまとまりになっていく世界を中心にいて展開されているからだと思う。

後半のサプライズゲストの2曲と、延々と続くアンコール曲合わせて全20曲。それぞれを紹介する時間はとてもないけれど、とにかく汗だくで歌い切り、何より一番楽しそうだった小室さんの姿は、やはり50周年にふさわしいものだ。幸いこの日のLIVE盤はCDとして発売されるそうだから、内容についてはそちらで確認して頂ければと思う。
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※小室さんのディスコグラフィ一覧

あらためて一覧を見てみると、六文銭関係のすべてとラニヤップは当然として、初めてのLPは2枚目の小室さんのファーストアルバム、谷川さんとのLPもすべて、東京、明日、時のパスポートは手元にある。それ以外の曲も大半はFMのエアチェックデータとして保存してある。私の尊敬する3賢人のおひとりだから当たり前といえば当たり前だけど、50年の内の40年以上ファンであることは,私にとっても同じ月日が流れていた訳で、自分自身の振り返りのようでもあった。

最後のホンの贅沢を言えば、アリスさん作詞の東京からの曲、そしてラジオ番組でアクセスの先駆けのような番組(番組名失念)の主題歌だったアコースティック版の明日、慶一さんとの掛け合いでの"立ち話”が聴けたら、もっともっと最高の夜だった。

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コメント

まつお様

コメントありがとうございます。
いつもならライブの詳細を書くのですが、
今回はさすがにメモが追いつきませんでした。
しいて言えば、べトナミーズゴスペルと今生きているということ+アンコールがゲスト全員参加で圧巻でした。無論、他の曲も凄いことになっていますが、サプライズゲストのサングラスのYさんが霞むぐらいと言えばお分かりでしょうか?

谷川さんが他の詩人の詩を朗読するというのも、考えてみれば凄いです。詩のボクシングの他流試合でしょうか。

ドラムスに林さんの和太鼓、それにサックス3本となるともう反則技ですね♪

見逃されたのは大変惜しいと思います。

ありがとうございました。

投稿: たくみ | 2011-07-13 11時59分

こんばんは。レポート拝読しました
...そうか、そんなコンサートだったんだ

週明け月曜の夜というのがネックになり
聴きに行くのを見送ったのですが
これを読んで、やっぱり無理しても行けばよかったと
悔やむことしきりです (^^ゞ
せめてCD化されるのが慰め...

レポートありがとうございました

投稿: まつお | 2011-07-12 21時53分

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