茶番
99%デモの続き。
アメリカ在住の映画評論家、町山さんのレポはいつも思わぬ発見がある。
プロの記者達は、一体何をやっているんだろう。
記者クラブみたいな護送船団のぬるま湯に浸かっているとまともな感覚もなくなってしまうのだろう。悲劇なのはそんな連中がまことしやかに伝える情報がいつか,事実として一人歩きを始めるこの国のメディア、それに引きずられていく民意とやらである。
そもそもこの99%デモを無視し続けるメディアは論外だけど、町山解説は実に明快である。
曰く、彼らは何に怒り、何が問題なのか?
デモの参加者の多くはサブプライムローンを発端とした景気後退による失業者である。
曰く、そのサブプライムを仕掛けたゴールドマンサックスなど金融業者は、右手で住宅バブルをあおりながら、逆の手でその破綻を想定して逆ばりをして破綻自体でも利益を上げる仕組みを作り上げた張本人であるにも関わらず、誰一人として逮捕されることもなく、いわんや財政支援を受けてますますその体制を盤石していっている。その本尊がウォール街だから,それに対しデモを行っている。
曰く、アメリカの税制は、就労に対する所得税率が30~35%なのに対し、株や投機によって得た利益には一律15%しか課税されない。つまり投資資金のない低所得者からは30%以上の税金を取りながら、金持ちのマネーゲームには15%しか課税しないことで、貧富の差、格差がどんどん拡大している。
これが1%の金持ちが40%以上の資産を保有しているという根源であること。
曰く、金持ち課税を強化すると言って大統領になったオバマは2年経過しながら、提案した課税法案を何ひとつ実現できていない(確かに議会は金持ち課税に反対する共和党が優勢だが、本気で通すことを考えるのなら大統領特権で突破できるにもかかわらずだ)ことへの絶望感があること。
この話を聞けば、このデモの本質なり。問題点がよくわかるのに、日本のメディアでこれ以上分かりやすい解説を聞いたことがない。
そして、この思想の根源が資本主義の究極の形、新自由主義で、今や世界中に蔓延している思想である。これを否定するような内容を報道するのは、彼らにとっては自己否定なのだろう。伝える姿勢が鈍るのも致し方ないというところか?
早晩、というか最早小泉改革とやらでその中にあるのがこの国の現状といえる。
福島の例を上げるまでもなく、理由はともあれ一旦不幸になると、どんなに頑張ってもそこから這い上がることはできない。わずかに引き上げるために使われるのはそれより少しだけ不幸でない敗者である市民から巻き上げる税金で、金持ちや企業家達はそれから逃れるために資産をどんどん国外に移転していく。それもこれもやったもん勝ちという自由を最重視するのが新自由主義であることに市民はそろそろ鉄槌を下す時がきていると思うが・・・
佐賀県知事、九電、政府の茶番を見ていると
実はこんな茶番劇が、この国ではこれまで気づかないままどんどん行われてきたのであろうことは容易に想像がつく。
今回は余に茶番すぎて、わかりやすかっただけで、本来は霞ヶ関がもっとまともなシナリオで展開するのだろう。奴らの居直りを見る限り、この茶番の愚かさに一番気づいていないのは彼ら自身に思えるのだから。
そして九電社長や佐賀県知事の鼻を木でくくったような会見にまともにつっこめないメディアもやはりこれまで茶番劇の広報担当にしかすぎなかったことが明らかになってしまった。何しろあの会見が成立してしまうのだから・・。
通産大臣の判断の前に、あんな会見を否定する役目こそがジャーナリストの役割ではないのか。
そして、国家による茶番が再び
無駄な金使いや記録自体のいい加減さは何も解決していないのに厚生年金の支給開始を再び遅くしようと画策しはじめた。
30年も40年も支払い続け(正確には先輩の為に資金を注入し続け)ようやくゴールが近づいた時に突然、後トラック3,4周しないとゴールじゃないと言うのだ。
これが民間の生命保険なら、とりつけ騒ぎが起きるぐらいの大事なのに、官僚の犬とかした今の民主党政権は、支給開始を遅らせるのが遅過ぎたと嘯く。
国民との正規契約である年金制度を一方的に改訂しようとすることが如何に大きな問題なのかを何もわかっちゃいない。
これじゃ納付率がどんどん下がるのは目に見えている。今68歳といいながら再び伸ばすことに何のためらいもないのだから、永遠に支給されないと思う方が道理に叶っている。
それくらいの覚悟があって言っているのか、それとも本音は公務員年金だけ税金でまかなって,厚生年金自体を解体したいのか・・・
いずれにしても信頼を失った国家がどんな末路を辿るのか、やはり共産主義国家の崩壊の次は資本主義国家の崩壊なのだろうか?
最後に 柳ジョージが亡くなった。
彼の唯一の好きな曲を 最近カラオケで歌ってないな~結構いけるんだけど
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