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2014-06-07

鎮魂の六の日は雨に咽んでいた。

20140606m

お恒例六の日、日程的に自由になった今回、

5月から週3の火、木、金曜日を出勤にしていたが、6日は最初から休みのカレンダーにしていた。

週末ということもあり、開演は20時。お昼頃名古屋発の高速バスでも十分間に合う。帰りは0時30分の夜行バス、久しぶりにゆったりとしたスケジュールとのんびりと朝を迎えていた。

しかし、8時過ぎに携帯の着信を確認、高尾に住む姉からだった。嫌な予感。

すぐさま自宅の電話、体調を崩していた義兄の容態がおもわしくないらしい。

お互い極力負担をかけないようにしている姉が,亡くなってからTELしても驚くだろうからと沈んだ声だった。つまり、緊急を要する状態であることは容易に想像できる。

6の日をあきらめて、予定のバスで高尾に向う選択もあったが、まずは少しでも早く行った方がいいと、まずは新幹線で東京に向う。

名古屋は晴れ間もあったが静岡あたりから雨脚が強くなる。

そして新横浜を過ぎたあたりで,再び携帯が鳴る。

11時34分、義兄が亡くなった。九州にいる長男は向ってはいたが間に合わなかったものの,3人の娘は見とれたとのこと。

しかしである。何故この日に。

ちょうど2年前、30年来の知人は六の日の4日後、息を引き取った。

2年前は渋谷の七面鳥でのライブだった。その日は彼の容態のこともあり,前半だけで後ろ髪を引かれながら会場を後にしたのだが・・・

六の日は、確かにオーメンの日、決して縁起のいい日ではないのだけど、そのお陰で、間に合わなかったとは言え、東京に向うことが出来た。

高尾は雨に煙っていた。

家族の意向でスーツに愛用のメガネ、無精ヒゲも綺麗に整えられていた。

まるで今にも起きそうな姿でベッドに横たわっていた。

肌寒い日であったが、毛布を腰にまいて遺体の側に寄り添う娘達、エアコンがガンガンに効いていた。

葬儀社が訪れ段取りを進めていく。

家族だけで見送りたい、でも現役の大学教授だし、そんな訳にはいかないだろう、娘達の勤務先もあるし、しかし本人の意向ということで、姉達は家族だけの葬儀を選択した。

それを見届け、再び通夜、葬儀に訪れる段取りを終えて、大塚に向った。

こんな時に、と言われることを承知で、でも2年前の知人と義兄と、そして私を結ぶ六の日だから、と自分に言い聞かせ六の日に向った。

とにかく場所が分かりにくグレコだが、途中女性からグレコはどこですかと訪ねられ、あの信号を右に回ったところですと伝えると,彼女は雨の中をかけていった。

結果それを追いかける形でグレコに入る。

じろ吉同様、満員ではあったが、予約が早かったのか、一番前、ゆいさんの目の前に案内された。

多分、過去の六の日の中で最高の席かも知れない。

定刻を少し遅れて皆さんが入ってくる。

小室さんがどうしてもみたらし(少し変ったものらしい)が食べたくなってと、

六の日が始まった。

前半はすべてスパイ物語の中の曲でと説明があり、 いつもの歌、聞き慣れた歌に混じって、劇中歌など12曲が、いつもの小室vsこへさんのやりとり、ゆいさんの介護ネタを織り交ぜて歌われていく。

そしていつか全30数曲あるという劇中歌をすべて披露することをやってみたいとおっしゃっていた。

初演から40数年、小室さんとこへさんを出会わせて六文銭にとっては欠くことができない別役さんの不条理戯曲、台本をあらためて見直すとせつないんだよねと小室さん。

青山円形劇場での再演はCSで見ているが、この楽団六文銭で全曲披露されれば、貴重な文化遺産と思うのだが。

何より40数年前にこの曲を作った小室さんの実力はやはり恐るべきものだと改めて思った。

<第一部のセットリスト、曲名不明,間違っているものがある点ご容赦願いたい>

 お嬢さんの歌/ここ/髭のはえたスパイ/曲名不明/雨が空から降れば/りんごの木/ネコの歌/そこに惚れた/曲名不明/全部買ったちゃった/へのへのもへじのあかちゃん/ある日スパイがやってきた。

圧巻は前回も披露された小室さんの口上付の全部買っちゃった。

何より小室さんの整えられた口ひげは、義兄のそれと同じだったのが何よりの供養だった。

後半は一転?こへさんの曲が続く。

引き潮、こへさんと小室さんの熱唱。と、突然、赤が欲しいなとなり4個のワイングラスがステージに。

アルコールが入ったところで、前半の小室さん的には失敗したねこのうたをもう一度やり直す。

夏二人で、インドの街を象にのって、木の椅子とステキなハーモニーが続く。

戦場はさみしい。ここでいつもの小室さんのこへさんいじり。

小室さん曰く考えられないイントロのコード進行。普通は曲中のコードを使うのだが,全く関係ないコードを使うのがこへさん流。

これに対しこへさん曰く"真似てもいいよ”って。このやりとり小室さんの苦笑で終わる。

街と飛行船。

面影橋。

そしてまたまた突然、小室さんからのビックプレゼント。

いつもは禁止されている演奏中の撮影が次の曲の1番だけOKが出る。

合わせてfacebookやブログ掲載OKも。

当初から私設広報部員としてこのすばらしいユニット、ハーモニーを知らしめたいとコンレポを書いてきたのだけど、

最近は写真が撮れず、熟知たる想いがあったのだが、少しは認めてもらえたのかしら。

撮影OKとなった曲は、12階建てのバス。

小室さんの盟友、イラストレータの小島武さんの詩に小室さんが曲をつけたもの。

このバスは実は死者を乗せて走るものだ。2年前の知人も、そして義兄もこのバスに乗って見送ったのだろうか? 少なくとも今日の私にとっては鎮魂の歌となった。

アンコールの出発の歌、そして最後の曲は無題。

雨が降りしきる中、鎮魂の六の日は幕を閉じた。

予定どおり0時半の夜行バスで長い、長い1日、とにかく帰途についた。

★画像は一番前のため4人一度にはフレームに収まらず、合成の1枚である。


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